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一族の魂は全て天に昇った。千手観音は一振も神刀を持っておらず、破片のみが周囲に散らばる。
神刀の一族はここに途絶えた。しかし、怨念や無念が勘助の肩に重くのし掛かっているかのように思える。
「これからどうするつもりなんだ?」
正吉が勘助に問いかける。
先のことなど何も考えられなかった。勘助にとって、神刀が全てだったのだから。空っぽだった。
「いや、まだ何も決めていない」
揺れる勘助の目を駒姫は真っ直ぐ見据えた。
「どれだけ悔やんでも、伊与さんは戻ってこないし、犠牲にした事実はなくならない。それでも、貴方は目を逸らさずに向き合った。それはとても誠実なことよ。けれど、その代わりに貴方は全てを失った。誠実に生きた結果がそれってあんまりじゃない。一族の魂が天に昇っていく時に貴方のことをお願いされたわ。歴史は貴方が生きて、これからも紡いでいくのよ。だから、貴方には私の家臣になって欲しい」
「俺は……」




