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血と愛は同じ赤色をしている  作者: 津崎新


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二人はしばらく抱き合った後に体を離した。


於富の方は優しげな目で駒姫を見た。


「それでは貴女は元いた場所にお帰りなさい」


駒姫は己の中に複雑な感情が芽生えるのを感じた。


月川城に帰れることは素直に嬉しい。しかし、駒姫が帰るということは、於富の方の病は治らないということである。ただ死を待つだけの存在になることがどれだけ恐ろしいことか。先程の駒姫がその立場だったから気持ちは痛い程わかる。


駒姫は長い睫毛を伏せた。


治癒の力は傷を治すことはできるが、病を治すことはできない。治癒の力では於富の方の命を繋げないのだ。


「何を辛気臭い顔しているのですか。貴女は笑って帰ればいいのですよ。貴女も他者を想いやれる心を持っています。それをぜひ大切にして下さい。老いぼれからの言葉です」


於富の方が静かに微笑んだ。その笑顔は今にも消えてしまいそうだった。


その言葉に母親が思い出され、駒姫の目に涙が滲む。消えてしまいそうな笑顔は忘れてはならないものだ。

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