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血と愛は同じ赤色をしている  作者: 津崎新


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月川城の大広間では軍議が開かれていた。


広げられた月川城付近の地図の盤上を兼経は鷹のような眼で見据えていた。地図上では亀山家と犬井家を模した駒が家臣達によって、絶え間なく動かされている。


「月川城は三方を川で囲まれている堅牢な城だ。落とすのは容易ではない」


「於富の方の病状が悪くて義信が焦っているとの情報が間者から入っている。短期決戦を狙ってくるはずだ」


「となると、東西南北にある四つの門の内、川に面していない東門を全軍で一点突破が作戦として一番考えられるな。東門の防備を厚くしよう」


「いや、待て。犬井家には猛将の多田十兵衛がいる。彼が落とした城は数知れない。そのような単純な策で戦に臨むだろうか?」


「考え過ぎだ。いくら彼でも策を巡らせる時間がない。そもそも、今回の戦自体が無理筋だ」


「念には念を入れるべきだ。多田十兵衛を甘く見てはいけない」


「むしろ、東門の防備を薄くさせるのも多田の策かもしれないぞ。東門を抜かれたら、この城は間違いなく落城する」


「それなら、東門の防備を厚くするが、他の門にも兵を配置する。それでどうだ?」


「ああ、それがいいだろう」


家臣達は兼経の方を見た。


「よし、作戦は決まりだ。そのように準備を進めろ」


「はっ」


家臣達は大広間の襖を開けて、裾を捲り上げて走り出した。

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