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Virtual Re:Link 〜レバニラ炒めを添えて〜  作者: 獬豸
第二章:レバニラフェス、始動!
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第九話:レバニラ姉妹、試される絆

「レバニラ姉妹、崩壊の危機!?」


 その言葉が頭の中でぐるぐると渦を巻く。


 澪の前ではなんとか笑顔を作ってみせたものの、胸の奥に引っかかるモヤモヤは消えなかった。


 深夜、ベッドに横になりながらスマホを手に取る。


 DMの画面を開くと、また新しいメッセージが届いていた。


『お前一人じゃ何もできないくせに』

『白崎澪がいなかったら即消えるVtuber(笑)』


 無視しよう、気にしないようにしよう。そう思っていても、言葉は心に棘のように刺さる。


 ——やっぱり、私ってそういう存在なのかな。


 レバニラ企画が成功しても、単独配信は澪ほど盛り上がらない。私だけの力で何かを成し遂げたことなんて、あっただろうか。


 考えれば考えるほど、自信がなくなっていく。


 そして、私はある決意をする。


 翌日——。


「橘ちゃん、今日の配信、何するの?」


 明るく聞いてくる澪に、私は少し間を置いて答えた。


「……一人でやろうと思う」


「えっ?」


「最近、ずっとコラボ続きだったし……たまには私だけの配信をしたいなって」


 澪の表情が一瞬驚いたように揺らいだが、すぐに優しく微笑んだ。


「そっか、それなら応援するよ! どんな配信にするの?」


「えっと……雑談メインで、みんなとゆっくり話そうかなって」


「いいね! 橘ちゃんのこと、ちゃんと見てくれてるリスナーさんもたくさんいるし、きっと楽しい配信になるよ!」


 澪はそう言ってくれたけど、私の胸の奥には不安が渦巻いていた。


 ——本当に、私だけで楽しませられるのかな。


 夜になり、配信が始まる。


「こんばちわ〜! 今日は久しぶりに単独配信です!」


 開始早々、チャット欄には温かいコメントが流れていく。


「ソロ配信待ってたよ!」「橘ちゃんの雑談大好き!」


 だけど、その中にいくつかの否定的なコメントが混じる。


「やっぱり澪ちゃんいないとつまんない」「トーク微妙だな」


 目に入れたくなくても、どうしても気になってしまう。


 でも、私は負けたくなかった。


「えっとね、最近ちょっと考えてたんだけど……私、もっと自分の力をつけたいなって思ってて」


 自分の想いを正直に話す。


「もちろん、澪と一緒にいるのは楽しいし、大好き。でも、私自身の魅力をもっと知ってもらえるように頑張りたいんだ」


 そう言うと、チャット欄に温かい言葉が増えていった。


「応援してる!」「橘ちゃんらしく頑張って!」


 ——ああ、そうだ。


 私を見てくれている人は、ちゃんといる。


 配信が終わった後、スマホを確認すると澪からメッセージが届いていた。


『配信お疲れ様! すっごくよかったよ! もっと自信持っていいと思う!』


 その言葉を見て、少しだけ心が軽くなった。


 そして、私はレバニラ炒めを作ることにした。


 自分で切って、炒めて、一人で作ったレバニラ。


 ひとくち食べて、思わず笑ってしまった。


「……美味しい」


 そうだ、少しずつでいい。私は私なりに、前に進んでいこう。


 ——次回、『レバニラ姉妹、新たなステージへ!?』

カクヨムで先行投稿しております。

よろしければ読んでいただき、評価していただけるとありがたいです。

https://kakuyomu.jp/works/16818622171293154777

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