第三十五話:プレゼンと企業の反応
プレゼン当日。私たちは事務所の会議室に集まり、オンラインミーティングの準備を整えていた。画面越しに映るのは、大手冷凍食品メーカーの広報担当者やマーケティング部門のスタッフたち。緊張するなと言われても、自然と手が汗ばむ。
「それでは、プレゼンを始めさせていただきます!」
まずは、澪がリアル料理イベントの概要を説明。私たちの配信スタイルやリスナーの層についても詳しく紹介する。
「私たちは普段からレバニラ料理の話をすることが多く、リスナーさんの間でも『レバニラ=私たち』というイメージが定着しています。そのため、今回のリアル料理イベントでは、視聴者の関心をしっかり引きつけられると考えています!」
次に、柚葉が企画の詳細について話す。イベントの流れ、参加Vtuber、視聴者参加型の企画、そして企業とのコラボによるプロモーションの可能性——。
「御社の冷凍食品を使ったレシピ紹介や、Vtuberたちが実際に調理する様子を配信することで、商品への興味を引き出すことができると考えています!」
最後に私が締めくくる。
「このイベントを通じて、私たちのチャンネルと御社の商品が一緒に盛り上がるような企画にしたいと考えています。ぜひご協力をお願いできればと思います!」
一通りプレゼンを終えた後、企業側の反応を待つ時間が、ものすごく長く感じた。
「……面白いですね。」
最初に口を開いたのは、マーケティング担当の女性だった。
「正直、Vtuberのリアルイベントと食品のコラボは未知の領域ですが、非常に興味深い企画だと思います。ですが……」
ですが? その一言に思わず身構える。
「現時点での課題として、イベントの規模や視聴者数の具体的な見込み、それと配信環境のクオリティが保証できるかどうかがポイントになるかと思います。」
「なるほど……。」
要するに、私たちのイベントがしっかり成功する確証がないと、企業としても協賛しづらいということだ。これは想定していた問題だった。
「その点については、具体的なデータをお見せできます!」
私たちは過去の配信の視聴者数やエンゲージメント率のデータを示し、イベントの成功の可能性をアピールする。企業側も興味を持ってくれたようで、話し合いはポジティブな方向に進んだ。
「……分かりました。社内で検討の上、正式に回答させていただきます。」
そう言って、企業側とのミーティングは終了した。
通話が切れた瞬間、私たちは思わずため息をつく。
「……うまくいった?」
「うまくいったと思う! でも、まだ確定じゃないから油断はできないね。」
「うん。でも、手応えはあったよね!」
プレゼンは成功した。でも、ここからが本番だ。果たして、企業は私たちのイベントに協賛してくれるのか——?
結果が出るまでの数日間、私たちはひたすら祈ることしかできなかった。
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