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Virtual Re:Link 〜レバニラ炒めを添えて〜  作者: 獬豸
第一章:デビューと葛藤のレバニラ
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第三話:レバニラの絆

 コラボ配信が終わり、私と澪は事務所の控室に戻ってきた。


「橘ちゃん、めっちゃよかったよ!」


「そ、そうかな……?」


「うん! コメント欄もすごく盛り上がってたし、楽しかった!」


 澪の明るい笑顔に、私は少しだけ安心した。


 そのとき、彼女がコンビニ袋から何かを取り出した。


「じゃーん! レバニラ弁当!」


「えっ、また?」


「うん! さっきの配信で話してたら食べたくなっちゃって!」


 結局、私もつられてレバニラ弁当を食べることに。


「これで明日からも頑張れるね!」


 レバニラを頬張りながら、澪は笑う。


 こうして、私と澪の距離は少しずつ縮まっていった——。


 次の日、私は澪と一緒に事務所で打ち合わせをしていた。運営から新しい企画案が提示され、私たちは真剣に話し合っていた。


「今度の企画、二人でリアル料理配信って書いてあるんだけど……」


「えっ!? まさか、またレバニラ炒め?」


「そう! せっかくだし、リアルで作ってみない?」


 澪はやる気満々だが、私は内心ドキドキだった。なぜなら——料理が苦手なのだ。


「ちょ、ちょっと待って、私、料理は得意じゃないし……」


「大丈夫! 私がフォローするから! それに、レバニラ炒めって意外と簡単だよ?」


 彼女の説得に押される形で、私は料理配信をやることになってしまった。


 数日後。


 料理配信の日がやってきた。


「みんなー! 今日はリアルレバニラ炒め作りに挑戦するよ!」


 澪がカメラに向かって元気よく挨拶する。私は緊張しつつも、エプロンをつけて準備を整えた。


「さて、まずは材料紹介!」


 澪が手際よくレバーやニラ、もやし、調味料を紹介していく。その横で私は必死にメモを取っていた。


「橘ちゃん、なんか学生みたいだね(笑)」


「だって、料理自信ないもん……」


「よし、じゃあ一緒に作ってみよう!」


 配信を見ていたリスナーたちは、「がんばれ!」「料理初心者あるあるw」「レバニラの女たちw」と盛り上がっていた。


 そして、いざ調理開始。


「まずはレバーの下処理から! 牛乳につけて臭みを取るよ!」


「う、うん……」


 恐る恐るレバーを扱う私。その様子を見て澪はくすくす笑う。


「なんか、橘ちゃんがんばってるの見ると応援したくなるな~」


「な、何それ……」


 そんなやり取りをしながら、なんとかレバニラ炒めが完成。


「いただきまーす!」


 おそるおそる口に運ぶと——


「……おいしい!」


「やったー! 橘ちゃん、料理マスターへの第一歩だね!」


 この配信をきっかけに、私と澪のコラボはますます人気になり、視聴者から「レバニラ姉妹」と呼ばれるようになった。


 こうして、レバニラ炒めは私たちの絆の象徴となっていく——。

カクヨムで先行投稿しております。

よろしければ読んでいただき、評価していただけるとありがたいです。

https://kakuyomu.jp/works/16818622171293154777

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