第十三話:ふたりの隠し味
次の料理配信の準備を進めている中、澪がふと呟いた。
「ねえ橘ちゃん、最近さ……あたしたち、すごく仲良くなったよね」
「え? そ、そうかな?」
私は思わず顔が熱くなるのを感じた。
「最初のころはさ、コラボするだけで緊張してたのに、今じゃ普通に料理とか企画の相談とかしてるし」
「確かに……」
思い返せば、最初のコラボ配信の時は、お互いぎこちなかった。だけど、レバニラ炒めをきっかけに、澪と一緒にいる時間がどんどん楽しくなっていた。
「そういう意味でさ、次の料理配信は……特別なものにしない?」
「特別?」
澪は少しだけ照れくさそうに笑いながら、続けた。
「私たちが今まで作ってきたもの、ぜんぶ詰め込んだ一皿を作るの!」
「今までの料理を……?」
澪の提案に驚きながらも、私は考えた。レバニラ炒めに始まり、鶏肉のスタミナ炒め、ニラを使ったパスタ……たくさんの料理を一緒に作ってきた。
「それって、もしかして『レバニラ姉妹の集大成』みたいな?」
「そうそう! それに、隠し味を入れようと思うんだけど……」
「隠し味?」
澪は少しだけいたずらっぽく微笑んだ。
「それはね……」
次回、レバニラ姉妹の新たな挑戦が幕を開ける——。
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