第十一話:レバニラ姉妹、料理は愛!?
初めての料理配信の日がやってきた。
「こんばちわ〜! 橘陽菜です! 今日は初めての料理配信ということで、緊張してます!」
開始早々、チャット欄は温かいコメントで溢れていた。
「料理配信楽しみ!」「レバニラ姉妹の新しい試み、応援してる!」
「今日はね、やっぱり最初はこれでしょ! レバニラ炒めを作ります!」
そう言って食材をカメラに映しながら、私はエプロンを整える。今回の企画では、私はメインで料理をして、澪が時々アドバイスをくれるという形にしていた。
『橘ちゃん、野菜の切り方大丈夫?』
「え? もちろん!」
そう言って自信満々に包丁を握ったものの、いざ切り始めるとチャット欄がざわつき始めた。
「手元が危なっかしい!」「澪ちゃん、早く助けて!」
『ちょっと待って! 橘ちゃん、それはもうちょっとこう……そう、猫の手!』
「あ、なるほど!」
澪のアドバイスを受けながら、なんとか野菜を切り終えた。次はレバーの下処理。
「これが一番大事なんだよね〜」
『ちゃんと臭み抜きした?』
「えっ、臭み抜き?」
『してないの!? ちょっと待って!』
急いでスマホを手に取り、澪が送ってくれた手順を確認する。なるほど、牛乳に浸すと臭みが抜けるらしい。
「澪、天才……!」
『いや、常識だから!』
そんなやり取りをしながら、なんとか調理を進める。フライパンに油を引き、強火で一気に炒めると、レバニラ特有の香ばしい香りが立ち上った。
「……うわ、美味しそう!」
『いい感じじゃん!』
出来上がったレバニラ炒めをお皿に盛りつけ、一口食べる。
「……んんっ! おいしい!」
『やったね!』
チャット欄にも「美味しそう!」「料理配信最高!」といったコメントが流れ、胸がいっぱいになる。
「次回も頑張るので、みんな応援よろしくね!」
配信を終えた後、私は澪にメッセージを送った。
『ありがとう、澪。ほんとに助かった!』
すぐに返事が来る。
『こちらこそ! でも、橘ちゃんが一生懸命頑張ってるの、すごく素敵だったよ』
その言葉に、思わず顔が熱くなる。
——私、一人でもやれる。でも、澪がいるともっと楽しい。
レバニラ姉妹の新しい挑戦は、まだまだ始まったばかりだ。
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