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8年ぶりに会った初恋の人に、綺麗さっぱり忘れ去られていた件  作者: ラストジェネレーション


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第十四話 告白

「先生..」


 日を経るにつれ、

先生と相対した時に私の身に振り掛かる異常性は増していった。

今ではもう、先生がいない時も常に先生の事ばかりを考えてしまうせいで、

ちっとも勉強が身に入らなくなっていたーー


 そんな中私は何を思ったのか、スマホを取り出し、

検索画面に先生の名を打ち込んだ。『夏目リョウ』とーー

もしかしたら顔写真の一つや二つは出てくるかもしれないと踏んだけど、

当然あるはずもなく、私は落胆した。


「先生って、誕生日いつですか?」

「急にどうしたの? まぁ、一月六日だけど..」


「み、見てください! 

最近ネットで拾った相性占いをしてくれるサイトなんですけど、

ここにそれぞれ、二人の生年月日を打ち込んでーー」


「あはは! そういうのあてになんないよ。

しかもそれ恋愛占いじゃん。友達占いとかはないの?」


「友達..」


 先生が無神経に言い放ったその一言が、酷く癇に障った。


「というかさ、そのサイトのリンク送ってよ。

後で俺とシズクさんの二人で占ってみたいから」


「..。いいですよ」


 不本意な形ではあったけれど、私は先生と連絡先を交換し合った。


「うん。これで俺のいない時に分からない問題があっても、

いつでも写真撮って送って貰えれば、時間がある時に答えるよ」


「はい..」


 違う..。そんな業務的な報告はどうでも良い。

私は先生と、もっと普通のやり取りをしたかっただけーー


「クイナ?」

「な、何でもないです」



 この胸の痛みと、息苦しさは何なのだろうーー


 先生に興味を持てば持つほど、私はお姉ちゃんの事が嫌いになっていった。


 相変わらず、家の為に身を粉にして働いてくれてるし、

それに対して感謝もしてるのにーー敬愛は出来ない。


 今までは憧れの人を尋ねられたら

間髪入れずにお姉ちゃんの名前を言えたのに、


 その自信も無く、私はこの、

姉という人物に対し嫉妬のような感情を膨らませていった。


「先生..」

「どうしたの? 分からないとこの質問?」


「はい。先生は、どうして姉の事が好きなんですか?」

「え、えっと..」


「本当に好きなんですか? 姉の事ーー

ただ、なんとなく付き合ってるんじゃないですか?

自分の承認欲求を満たすためのステータスとしてしか見ていないなら、

悪いですけど、別れてもらって良いですか?」


「..」


 先生は黙った。図星のようだ。

やはり、先生と姉は本当に愛し合ってなんかいないと踏んだのに、

返ってきた返事は予想外だった。


「はは..。クイナは、姉想い。なんだね..」

「は..?」


 意味が分からないーー


「でも安心して。俺は本当に君のお姉さんの事が好きで

付き合ってるんだよ。けっしてお遊び感覚なんかじゃない」

「そうです、、か..」


 意味が分からないのは、こんな質問をした自分自身だ。


 私はどうして、ここまで先生の事を考えずにはいられないのだろう?

以前はただ普通に接してたのに、今では落ち着いて会話する事さえままならず、

彼の顔が少し近づいてきただけで、恥ずかしくて死にそうになる。



「先生..」


 その日、先生は私の部屋で熟睡していた。


 姉曰く昨日、一昨日と立て続けに学校の試験があったらしく、

一夜漬けで挑んだ彼の睡魔はここにきてピークに達したのだ。


 二日間徹夜したせいか、彼の目の下には大きなクマが出来ているし、

時折鳴らす寝息がうるさいせいで勉強に集中出来ない。最悪。


 無理を通してまで教えにくるぐらいなら、

家に帰って休めば良いのにーー


「先生..」


 二度、立て続けにそう呼んでも起きない。

寝ているフリをしているようにも見えなかった。


「....」


 その時、ふと私の腹の奥から込み上げてきた感情が口から漏れた。


「好きです。先生ーー」


 


 



 




 


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