表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

98/170

第98話:アイアンメイデン


「えーと」


 で、次の日。俺が全部説明すると、ルイとタマモが俺をジトーッとした目で睨んだ。


「お断りしたいのは山々ですが、是非とも説得に加味していただければ幸いかと」


「話はよく分かったぞ」


「…………ええ……よくわかりました」


 怖いよー。俺の恋人たちが怖いよー。恋人たちとか言っている時点で何かが破綻しているような気もするが。


「ちなみに、縁談を成立させる気は無いぞ?」


「俺はルイとタマモ以外と結婚する気は無いぞ」


「えへぁ」


「…………うへぇ」


 そこで蕩けられると、話が進まんのだが。


「なので、俺と一緒に父者にお断りの具申をだな」


「どう思う? タマモ」


「…………筋は通していると思います」


「だよねー」


 どゆこと?


 俺が正座して事態を座視(誤用)していると、二人は嘆息した。で、ルイが言う。


「お見合いに行くのはいいぞ」


「え? いいの?」


 そこはごねられると思っていた。


「…………マアジは財閥の御曹司ですし。……しがらみもありましょうしね」


「自由恋愛くらい主張したいんだが」


「とにかく。お見合いはいいよ。ただしボクとタマモが監視する。そこは最低条件」


 一応お見合いの場所は京都の御殿だ。一般的にドラマでお見合いによく出てくる和風な空間のアレ。俺はスーツで臨むつもりだったが、そもそも行かなくていいならそれに越したことは無かったが。当然相手は着物だろう。


「隣の部屋で会話を聞いている。そういうことできるぞ?」


「可能だとは思うが」


 部屋はどうせ襖で仕切られているだろうし。隣に潜むくらいは許可も出るだろう。


「最低条件ってそれでいいのか?」


「ダメだぞ?」


「…………あたしたちが隣にいたら、変な気も起こさないと思うのですけど」


 たしかに。お見合い相手がどれだけ美人だろうと、ルイとタマモに監視されていると色々と台無しにはなるだろう。


「じゃあそれで行くか」


「二週間後かぁ。じゃあスケジュール押さえないとだぞ」


「…………ちょうどライブもありませんしね」


「マアジお兄さんのお見合いかぁ。金持ちの令嬢って金髪縦ロールかにゃ?」


「それは外国の令嬢じゃないデスか?」


「別に日本のお嬢様とは決まってにゃいにゃ」


「たしかにデス」


 俺自身のお見合いはともあれ、お見合いというイベントにはワクワクしているらしい。たしかにあんまり聞かんしな。俺としてもこれが初めてなので、何を聞けばいいのかもよく分からない。ドラマとかでは「後は若い二人だけで」とか言って保護者が消えるはずだが、そこまでベタなお見合いって最近のトレンドに該当するのか?


「思ったよりルイお姉ちゃんとタマモお姉ちゃん冷静だにゃ」


「一番嫌そうにするとデス……」


「マアジの事情は組めるぞ。それは」


「…………マアジのしがらみも知ってはいますしね」


 その言葉に、ギュッと俺は二人を抱きしめた。


「あ♡」


「…………ん♡」


 そのまま二人にキスをして、そうして俺は感謝を伝える。


「マアジ♡」


「…………マアジ♡」


「ヤバイ。超興奮する」


「やる?」


「…………あたしはここでもいいですよ?」


「さすがに本番はちょっと」


「むぅ。ヘタレ」


 何とでも言え。


「じゃあ夢の中でしましょうね」


「サヤカ。ルイとタマモの二人を招くってできるか?」


「まぁ不可能じゃにゃいけど」


 実際に五人でやったこともあるしな。俺の肉体感度が鈍すぎて、システム上の感度を同一にすると、この四人は俺より先に果ててしまうのだ。そもそも俺が肉体の感度的に鈍すぎるという問題があるのだが。とはいえ現実にもシステム上の改竄は適応されるので、やろうと思えばできはするんだが。もちろんだから「ならやりましょう」と言うにはオメガターカイトは未来が明るすぎる。


「じゃあ今夜は三人でやりましょうね」


 この推しの喘ぐ声を聴け。チキュウさえ穿つ矛となれ。かのロボットアニメは名作だったなぁ。


 そしてオメガターカイトのネット動画を見ながら、俺は今日のご飯について考える。朝と夕は俺の手作り。昼だけは各々で。


「じゃあ汁なし担々麵でもするかぁ」


「また糖質の高い……」


「…………それでもマアジの料理はおいしいですけどね」


「お兄さんの桃尻を食べたいにゃー」


「お姉様。今日はベビードールを」


 さすがに男がベビードールを着ると見るに堪えんと思うのだが。


「お姉様なら大丈夫デス」


「股間のブツが邪魔するぞ」


「切り取りましょう」


 出来るか。


「じゃあイユリはサヤカと百合プレイな」


「いいんデスか!?」


「ああ、俺が許可する」


「あのロリボディに蹂躙してメスガキを分からせていいんデスね!?」


「存分にやってしまえ」


「了解しましたデス!」


「ええと。お兄さん。ガチで?」


「俺と一緒に暮らすってそういうことだぞ」


「あのー。イユリはそれでいいんだぞ?」


「なんならルイも混じりますか?」


「いやー。さすがにねー」


「タマモも」


「…………今日はマアジに抱かれますので」


「お姉様!」


「今日の俺は股間のブツを使うので脚下」


「夢の中では理想的なお姉様なのに」


 サヤカのオーバリズムは俺を女体に出来るからなぁ。それでイユリをニャンニャンするのも既に慣れたもの。でもやっぱりブツはあった方が盛り上がるというか。別に百合を否定するわけではないが、俺的には異性の付き合いがジャスティス。


「じゃあいっぱい愛してね。期待しているぞマアジ」


「…………目指せ想像妊娠ですね」


 まぁ場合によってはそれもあり得るのが怖いんだが。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ