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推しのアイドルが所属しているグループのメンバーが俺の家に入り浸る  作者: 揚羽常時


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第124話:クリスマスパーティー


「それでは皆様ご唱和ください!」


「「「「「メリークリスマス!」」」」」


 パンパンッとクラッカーが鳴る。


「うーん! ピザ美味しい! 太るぞ~!」


「…………フライドチキンも殺人的です」


「ポテトも糖質の塊だからにゃー」


「ソレを言えばジュースもデスね」


「わたくし的には御家の都合でこういう洋食は珍しいのですが」


「そういうお嬢様気取りが即オチ二コマするんだぜ」


 思い思いにクリスマスの飯を食っているオメガターカイトを見て、俺もニコニコ。ここにルイとタマモとサヤカとイユリとアワセとリンゴがいる。そして全員が楽しそうにクリスマスパーティーを満喫している。それだけで尊死できる。


「オメガターカイトの! 青春は愛より出でて愛より青し! クリスマス出張版!」


 もちろんテレビのチャンネルはオメガターカイトの公式アカウント。今日はクリスマス企画で動画を撮られている。というか二か月前に撮ったらしい。


「メリークリスマス!」


 と画面の中のルイが満面の笑顔で笑う。外用の顔とはいえ、ルイが可愛くないはずもなく。しかもサンタコスをしているとなれば、食い入るように見つめてしまう。


「マアジ。目がエロイぞ」


 仕方あるまい。ミニスカサンタコスとかどういう拷問だよ。


「テレビの中のボクよりさぁ」


 俺にしな垂れかかって、ミニスカサンタのルイが挑発する。


「目の前の僕を愛でてよ」


「あの、オッパイが零れそうなんですが……」


「見たい?」


 超見たい! というわけにもいかず。


「お楽しみは寝た後な」


「もちろんお兄さんにとっても特別な日だからサヤポンたち全員相手するにゃーよ」


 感度を下げればできない話ではないが。言っとくがフィニッシュは誰か一人になるからな? 俺のアレは連射性が無い。ハーレムの主ではあるがラブコメ主人公のようなベッドヤクザではないのだ。


「じゃあタマモ。ジャンケンしよっか」


「…………今夜のセイント性夜は譲れません」


 バチリ、と視線で火花が散る。


「ちょっとー。サヤポンたちは最初から該当しにゃいにゃ?」


「拙はお姉様に弄られるだけで幸せデス」


「わたくしはマアジが別の女性としているのを見るだけで……あぁ!」


「マアジ。俺が光堕ちさせてやる」


 まぁさすがにフィニッシュはルイかタマモだろうなぁ。


「ところでリンゴ? 光堕ちって?」


 クネリ、とルイが首を傾げる。


「暗黒結社たる絶黒の影救世躯体エグゼクターであるマアジを光堕ちさせるのだ。そうして闇の正義、宿星粛清……つまりジャッジメントスターの一人として新生させる!」


「マアジ。何言ってるかわかる?」


「まぁ。一字一句間違いなく分かるが」


 この胸を掻きむしりたくなる中二病の痛さを観念に入れなければな。


「絶黒を裏切れ! マアジ! 俺のテスタメイトになれ!」


「テスタメイト?」


 何ソレ。


「もちろん神と契約した聖人のことだ! 神魂契約者たるテスタメントに仲間や配偶者を指すメイトを付属してテスタメイト! ちなみに魂約者と書いてテスタメイトと呼ぶ!」


「…………マアジ……リンゴに何を吹き込んだの?」


「俺が暗黒結社絶黒の影救世躯体エグゼクターだってことは吹き込んだ」


「リンゴお姉ちゃんがソレを信じているにゃ?」


「わかりますデス! やっぱり暗黒結社って憧れますよね!」


「すみません。わたくし不勉強で……」


「元々絶黒はオメガターカイトの市場を利用して仮想通貨……推しっコインを頒布し! そうして日本経済を破壊しようと目論んでおり! つまり俺たちが日本で人気になればなるほど絶黒は日本を支配することが可能となり!」


「推しっコイン……にゃ」


「酷い名前デス」


 すんません。即興で考えたもので。


「あー、実はですな。リンゴ」


「なんだ! テスタメイト?」


「アレは全部俺の創作で……」


「わかってる! お前は俺に光を見た! これから絶黒と戦う運命なのだろう! だが心配するな! 俺は! 俺だけは! お前の味方でいられる!」


「ボクも味方のつもりなんだぞ」


「…………あたしも」


「ダメだ! ここから先は異能者にしか立ち入れない問題だ。ルイやタマモを苛烈な闇の闘争に巻き込むわけにはいかない!」


「異能者……にゃ?」


 サヤカが俺を見る。ロリ体形でおっぱいが小さいが、それでもミニスカサンタコスの魅力が目減りするわけでもない。


「オーバリスト」


「「「あー……」」」


 でルイとタマモとサヤカが納得した。この三人は佐倉財閥について色々と知っている。


「リンゴって異能者なの?」


「ファイバーマスター。糸を操る異能者だ!」


「ホント?」


「まぁ嘘はついていないな。ブギポしかりドルネーズさんしかり、糸を操る異能はロマンあるしな」


「その俺の異能を知って生きていられると……」


「ちょっと待って! 今動画がいいところ!」


 で、テレビの展開にワクワクする俺。ミニスカサンタコスのオメガターカイトが、互いにプレゼント交換をしていた。


「あー。これ」


「…………あたしたちはオチ知ってますね」


「言わにゃいほうがいいにゃーよ?」


「お姉様にもプレゼントしたいデス」


「わたくしはそこそこ嬉しかったですわよ」


「いいか。そもそも異能を持った人間のカルマとは……」


 で、ルイはソレジャナイロボを受け取っていた。


「俺のルイたそが~~~~~~ッッッ!」


「いやん。マアジ♡ 俺のルイなんて……」


「…………むー。……ルイズルい」


「あ、タマモはテディベアか。良かったな」


「…………マアジにはあたしをプレゼントするね」


「おう。受け取ってやるから」


「……………………」


「タマモお姉ちゃん。メスの顔ににゃってるにゃ」


「いや、だって。マアジが……その……」


「とにかくクリスマス! 盛り上がって参りましょうですわ!」


「マアジ。俺と一緒に闇の正義執行人としてだな!」


「マアジ。動画のボクたちもいいけど、こんな可愛いサンタさんがいるんだから」


「…………もうちょっと現実も意識してもらえると」


 まぁ確かにな。ミニスカサンタコスのオメガターカイトが八十五パーセントもいるってどうなってんだ俺のマンション。


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