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第121話:くっころ


「ひゃはは! これは上玉だぜぇ!」


 佐倉マアジAが言う。


「アニキ。食っちまっていいよなぁ?」


 佐倉マアジBが言う。


「これだけの女はそう見ないぜ。残念だったな嬢ちゃん。可哀想になぁ?」


 佐倉マアジCが言う。


「まずはアジトに戻ってからだ。騎士団に来られても面倒だしな」


 佐倉マアジ(頭目)が言う。


 そうしてルイとタマモとリンゴは佐倉盗賊団のアジトに拉致られ、自然を利用した穴倉の、その鉄格子のなかに放り込まれた。


「アニキ。食っちまおうぜぇ」


「大丈夫だって。経験済みでも高く売れるさ」


「俺らにも御褒美があってもいいだろ?」


 佐倉盗賊団は、一人一人存在はするが、その全員が佐倉マアジだった。ちなみに今の俺は佐倉マアジ(頭目)だ。


「へへっ。恨むなら美人に産んだ親を恨むんだな」


 俺が舌なめずりしながらそう言うと。


「くっ。殺せ!」


 女騎士リンゴが覚悟を決めた様にそう言う。


「殺すだぁ? そんな勿体ないことできるわけないだろ。たっぷり楽しませてもらわないとなぁ」


「たとえこの身を穢しても、俺の心は折れはしない!」


「これでもか?」


 俺はパチンと指を鳴らす。同時にルイとタマモとリンゴの感度と欲求が百倍になる。


「あ♡ あ♡ あ♡」


「…………んぉほぉぉぉ♡」


 すでにルイとタマモには慣れたもので。基本的に俺が感度を上げないと、そもそも相互作用が出来ないが故に発明した感度改竄だったが、たまにこうやって二人も味わっている。女騎士ルイと女騎士タマモはAとかBとかCとかの佐倉マアジにいやらしいおねだりをしてエクストリームスポーツを開始している。あくまでエクストリームスポーツだ。そうだと言ったらそうなのだ。


「ルイ! タマモ! 貴様ぁ! 止めさせろ! 寸刻みにしてブタのエサにするぞ!」


「そう言っている割にはココはビショビショじゃないか」


「ぐ、それは……」


「所詮お前も騎士である前に女だってことだな」


「この誇り高きサークラー騎士団の聖騎士リンゴがそんなわひゃんッッ!」


「こっちは正直だぜ。お前の嬌声も可愛いな」


「くっ! 殺せ! 辱めを受けるくらいならこの身を捨ててやる!」


「そうかい。じゃあ女に生まれたことを自覚するまで遊んでやるよ」


「ひっ!」


 俺のアレを見て、青ざめるリンゴ。だがその吐息はピンク色で、性的に興奮している。


「はぁッ。はぁッ。はぁッ」


 俺のアレを凝視して、そのまま息を荒くする。ちなみにアレってのは俺の筋肉だ。以下俺の筋肉をアレと呼称するのであしからず。感度と欲求百倍では、さすがに何もせずに「はい、そうですか」は通じない。リンゴとしても拘束されていなければ示威行為くらいには耽っているだろう。だが聖騎士リンゴはプライドを高く持ち、それによって俺の凌辱を矜持として受け入れない。どこまでも強がって、だが最後には堕落する。その高低差を楽しみたいらしい。


「マンゴーがぁ……熱いぃ……」


「所詮お前も女だってことだ。おねだりする気になったか?」


「だ、誰がゲス野郎におねだりなど……ッッ!」


「いいのか? なら俺はルイとタマモを楽しむとするかな。お前は一人で悶えてろ」


「……あッ」


 そこで切ない声を出す聖騎士リンゴ。


「あ♡ あぁ♡ ぅんぅう♡」


「何か言いたことがありそうだな?」


「俺には無い! どうせ汚すつもりだろう! なら好きにしろ!」


「嫌だね。お前が頭を地面に擦りつけて無様にお願いしないとしてやらねえ」


「き……さま……俺をどこまで侮辱する気で……ッ!」


「ん? いいのか? このままなら俺はルイとタマモでスッキリするが?」


「ぐ……あ♡ ん♡」


「どうした? 俺のアレをそんなに熱心に見つめて」


「くっ! なんでも!」


「ないのか? ないんだな?」


「そ……れ……は……」


「お前がどうしても成功体験(誤字にあらず)してくださいってお願いすれば、しょうがないから付き合ってやってもいいんだがなぁ」


「恥を……知れ……ぁん♡」


「ほら。無様にお願いしてみろよ。自分は欲に負けたメスブタですってな」


「だ……れが……そんなことを」


「よーし。野郎ども。ルイとタマモで汗を流すぞ」


「待て。待ってくれ……」


「何か言いたことがあるのか?」


「わかっているくせ……に!」


「なんのことかわからんなぁ」


「お、おねが……」


「この場の全員に聞こえる声で」


「お願いします! 俺とエクストリームスポーツしてくれ!」


「ひゃはは! ついに認めたぜ。あの聖騎士様がなぁ」


「そんなに俺ら佐倉盗賊団のアレが欲しいのか?」


「無様な聖騎士様だことで」


「くっ……こんな辱め……」


「とか言いつつビショビショじゃねえか。汗っかきなんだな?」


「言った。言っただろ。早くしろ。盗賊」


「様をつけろよデコスケ。佐倉マアジ様だ。俺の機嫌をとらねえとしてやれないぜ?」


「さ……佐倉マアジ様……あなた様のアレで俺のコマンドーを相手してください」


 アレ……つまり筋肉でコマンドーのエクストリームスポーツをするだけだ。何か別の意味に聞こえるって? 気のせいだろ。


「わかったよ。お前がどうしてもっていうなら付き合ってやらなくもないぜ? 俺様は優しいからな」


「くっ。すまない。ルイ。タマモ。俺は聖騎士失格だ……」


 そうして汗をかいて。多対一のスポーツに一心不乱になって。


「…………」


 目を覚ますと朝だった。筋肉でコマンドーのエクストリームスポーツをして、リンゴのプライドを蹂躙する夢を見て。


「頭の悪い夢を見た」


 頭痛はしないがこめかみが痛い。多分幻痛。


「サヤカ?」


 朝飯を食いながらサヤカに視線を向けると。


「あれ? お気に召さにゃかった?」


「あんなアーダールートなプレイはだな」


「一応リンゴお姉ちゃんの癖に合わせたんだけど」


 あ、アレ、リンゴの癖なのね。


「うー……」


 そのリンゴはといえば俺のリビングで朝飯を食いながら真っ赤になっていた。サヤカのオーバリズムについては説明されているがまさか癖暴露までされると乙女としては割腹モノだろう。俺だったら服毒自殺する。


 あ、毒は効かないか。困ったもんだ。


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