第八十七章+第八十八章 Big Deal+Water Land, Two Boys
最近巻き舌猛練習中。いつか、『 rrrrrrrrrrrrrr 』ってやりたい。
〜第八十七章 大したこと〜
「…おい…ペドル。」
「何?菊夜くん、話、聞かないと、ルールが分からなくなるよ?」
俺は、学年集会の場でカレンを見つけた。実行委員達がレクについての説明をしている。
「…お前、何者だ?誰から俺の事を聞いた?いや、調べたのか?」
俺はずっと気になっていた事をカレンに問いた。
「…嫌だなぁ。真剣になっちゃって。大した事じゃないよ。」
カレンはそう言ってヘラヘラと笑う。
「俺にとっては大事なんだよ!!」
俺は少し声を大きくして言った。
「え?菊夜、カレンちゃんのこと、好きなの?」
「マジか〜。どんなにかわいい女の子も全員フるお前でも、流石にこんな美人にオチないわけないよな。」
「菊夜とカレンちゃん、美男美女でお似合いだな。」
「…静かに。数人こっちを見ちゃったじゃないか。しょうがないなぁ。」
そう言うとカレンは俺の手を引いて先公どものところへ行った。
「林くんが少し気分が悪いと行っているので、保健室まで付き添ってもいいですか?」
カレンがそう聞くと、俺の担任の先公は頷いて、カレンの担任の方へ歩いていった。
「行こうか、林くん。」
カレンはニヤリと微笑むと、再び俺の手を引いた。
…不覚にも、そのちらりと八重歯を見せたカレンの笑顔に、俺はドキリとさせられた。
〜第八十八章 水の国、二人の少年〜
「おい、カレン、どこに行くんだ?」
菊夜くんの手を引いて学校の廊下を歩いていると、菊夜君が聞いてきた。
「人目がないところだよ。」
ボクはそう答えた。この学校には普段は立入禁止の屋上がある。前に立ち入った時、偶然裏に屋根に続くはしごがあることに気がついた。そこなら万が一誰かが屋上に来ても、ボク達には気づかないだろう。
「…ちゃんと質問に答えるんだろうな?」
菊夜くんが疑わしそうな目でボクを見た。
「そうだね。そのつもりだよ。」
ボクはそう答えると、立入禁止のロープが貼ってある屋上に続く階段に足をかけた。
「うわぁ〜〜涼しいね〜」
ボクは、屋上のドアを開けて体いっぱいに風を感じた。
「確かにな。普段はこんなとこ、来る機会なんてねぇけど…それにしても、お前、どうやって鍵のかかったドアを開けたんだよ?」
菊夜くんが彼の黒い髪をなびかせながら不審そうにボクに聞いた。
「蹴り破った方が早かったんだけど、公共物破損は避けたかったからね。昔の…昔の親友が、ピッキングが得意なおばさんを持っててね、その人から教えてもらったんだ。」
「ピッキングが得意って…泥棒かなにかだったのか?」
「あははっ。そんなわけ無いじゃない。ちょっと忍者への憧れが強かった人だったんだよ。」
ボクが笑って言うと、菊夜は
「忍者はピッキングなんてしねぇけどな…」
と、呆れたように笑った。
「君のお父さんは、風の国との争いで亡くなった、忍びの英雄、一夜蘭夜さんでしょ?」
「…そうだ。どこでそれを知った?この学校にも、俺が一夜一族だと知っているヤツはいないぞ。」
菊夜くんは真面目な顔をして、ボクをその小紫色の瞳で睨んだ。
「…実はね、ボクの母さん、『落ちこぼれの美少女』で水の国ではそこそこ有名な渚衿花なんだ。」
ボクは、竹鬼にも話した事がなかった、母さんの二つ名を菊夜くんに打ち明けた。
できない。俺の名前は、オランド、オレンジ、コロラド、とかなら完璧に巻き舌できるんだけど。ははは。




