第六十章+第六十一章 Please Forget What I Said Now+Uncle With No Sense Of Direction
おっおー。昔から何でか。ちょっと、人目を引くんだよな。それもまぁ。もう慣れ始めてしまいそう。おっおー。聞いたことあるんだ。ちょっと、思い出せないけど。あぁーもう嫌な体質だな。そんなこと言えもしないけれど。
〜第六十章 今の忘れて〜
「母さん、何か手伝おうか?」
ボクは厨房で一人晩餐に出す料理を作っている母さんに声をかけた。
「あ、良いのよ。あなたは何もしなくて。私にできることはこれぐらいなんだから。自分のできることはしっかりやらなきゃ。」
母さんはそう言うと笑った。だが、その笑顔が作りものだと言うことは、ボクにはすぐに分かった。
(…なぜならボクは母さんの心が読めるからだ。)
「いや、でもボクも暇だから。」
ボクはそう言って厨房に入ると流しで手を洗った。
「…本当に良いのに…」
母さんは複雑そうな顔をして笑った。ボクはその表情に心がとても締め付けられた。
ー苦労しているのはボクだけじゃないんだ…武道ができない者などここには必要とされていない。そんな肩身の狭い思いをしながら頼れる人もおらず、愚痴をこぼす事もできないなんて…
「母さん、ボク、もうこんな暮らし止めたいな。普通の家族みたいに、母さんととこか遠くで二人、仲良く暮らしたいよ。」
ボクは野菜を切りながらふとこぼした。
「!!」
母さんが驚いた様に鍋をかき回していた手を止める。
「…今の…忘れて。」
ボクは手を止めてそう言うと母さんに笑顔を見せた。
〜第六十一章 方向音痴の叔父様
「カレンー?どこや〜?」
俺は渚家の屋敷の長い廊下を一人、カレンを探して歩いていた。
ーどこ行ったんやカレン…
「カレッ…いったっ!!」
俺が角を曲がると、走ってきた誰かとぶつかった。
「だ、誰や?なんでこんなところに…」
「ご、ごめんな、竹鬼くん。いかん、またぶつかった…」
俺がぶつかってきた男性を見ると、それは俺の叔父様の風松さんやった。
「ふっ、風松さん?!どうしてこんなところにおるんや?!」
俺は驚いて風松さんに尋ねた。(…まぁ、何故かは分かっとるんやけど…)
「いや、食堂で料理人さんたちを手伝ってこようかと思って大広間から出たんやけど、迷ってしもーて…」
そう、風松さんは極度の方向音痴なのだ。広い上に馴れない渚の屋敷で迷うのはまだしも、風松さんは盤風の屋敷だけではなく、自分の家でも迷うほどの方向音痴だ。そのためお母様は弟の風松さんに早く結婚して頼れる奥さんをもらってほしいと思っているのだった。
ー今日もわざわざ風夏さん一家と一緒に盤風家に来たらしいし、これはほっといたら夕食にも来れんで…
俺は少し呆れてしまい、風松さんを見た。
「ええっ!竹鬼くん、そんな目でみんでよぉ。」
風松さんは俺の呆れたような目を見ると後ずさった。
「…しょうがないなぁ。俺が案内しますよ、食堂まで。」
俺はそう言うと風松さんについて来る様に手招きをした。風松さんはうなずくと俺の後ろを歩き始めた。
なんか最初のカレンの心の中、変なの入ってなかった?!心が読めるとか何とか…!?き、気のせいだよね?!
あ、あと、次のお話はきのこ!のアロマに感化された変なお話です。お好み焼き戦争、お楽しみに!!




