第四十九章+第五十章 Crack+Takeoni's Injury
It's a hard knock life for us. It's a hard knock life for us. No one cares if you are a smidge. When you are in the orphan age. It's a hard knock life.
〜第四十九章 罅〜
「はぁっ!!!!」
「がっ!!」
俺は地面に体を強く打ち付けた。もう体力が限界に近く、受け身も上手くとれない。
「はぁはぁ。カレン、そろそろ休憩に…」
「まだ…まだだ!!竹鬼、来いっ!!」
俺はカレンに言いかけたが、カレンは構えをとかない。
「…どりゃぁぁああああああああ!!」
俺はカレンを説得することを諦め、またカレンに向かっていった。
「カハッ!!」
俺はまた背中を打ったが、気にせずに立ち上がった。
ーいいんだ。俺はどうなったって。カレンの役にたてるなら。俺なんかよりもカレンの方がよっぽど辛い思いをしてるんだ…
「だあぁぁぁああああ!!ぐわっ!!」
「バキッ!!」
俺の背中からものすごい音が聞こえたかと思うと、全身に凄まじい痛みが伝わった。
俺が覚えとるのはここまでやった。
〜第五十章 竹鬼の怪我〜
ーボクのせいだ…竹鬼に無理に相手をさせて…
ボクは医療室の布団に横たわる竹鬼を見下ろした。その腹部には包帯が巻かれている。
「…カレン…これは私のせいなのよ。私が弱いから…」
母さんが隣で崩れ落ちて泣き出した。
母さんはまだ22歳だ。家族の重みに耐えられるほど経験も力も無い。
「母さん、もう良いよ。もう母さんは無理しないで。これはボクの問題なんだよ。母さんは関係ない。」
「カレン…」
もうこれは母さんの問題じゃない。ボクの、あのクソジジイに試練を課せられた、ボクの問題だ。
「カレン…」
母さんはうつむいた。その頬に涙が伝う。
「母さん、風梅さんが来たらもう二度とここに来ないでほしいって伝えて。」
ボクはそう言うと道場へ戻った。
「えー?いやぁ、気にせんどって!全然大丈夫やよ!こんくらいでへばるような弱い体には産んどらんって!ハハハハ!!」
ーお母様の声が…聞こえる…
「本当にごめんなさい、うちの事情で竹鬼くんにこんな怪我を…」
ーエリカさん…?怪我…?俺に…?
「ええって!気にせん…たっ、竹鬼、目覚ましたん?!」
お母様がこっちを見る。
「竹鬼っ!さっさと起き上がりっ!!こんくらいでへばってたら盤風の血筋じゃないよ!」
お母様がキッと俺に言った。
「うう…」
俺は痛む体を必死で起こしあげた。
「はぁはぁはぁ…」
体から汗が吹き出した。
「風梅さん!!竹鬼くんがっ…いくらなんでも可哀想じゃ…」
「ええんや。よしっ、よくやった竹鬼。ほな、帰るで。」
お母様はエリカさんの言葉を気に留める様子はなく、俺を担ぐと医療室を出た。
「お母様…カレンは…?」
「…竹鬼、しばらくカレンちゃんの家に行くのはよし。」
俺がお母様に尋ねると、お母様は歩みを止めず静かにそう言った。
「な、なんでや?!怪我のせいか?!俺は大丈夫や!!」
「せからしかっ!!黙って親の言うことを聞いときなっせ!!……なぁ、うちの父ちゃんの言葉を借りたらこうだ。分かるやろ?もう黙り。」
「…」
お母様が急に出した大声か、聞きなれない言葉で一括されたからか、はたまた背中の痛みか、カレンともう二度と会えないかもしれんという恐怖からか…俺の目には涙が溜まった。
「竹鬼、ジブンには休みが必要や。」
俺は黙ってお母様の背中の上で頷いた。
う・わ・お。




