三十二+三十三+三十四 Heaven-Sent Child Of Transformation Magic+Dress Up+Takeoni Is A Natural Born Philanderer
題名長いしキモい…
〜第三十二章 変身魔法の申し子、彩芽先輩〜
「うわぁ!!すっごいかわいい!もみじ!!」
私達が更衣室に入ると、そこには丁度変身魔法の申し子と言われている彩芽先輩がいた。彩芽先輩も魔法戦闘員の試験にはエントリーしていたが、第一ブロックでマリン先輩と虎杖クロワッさんに負けてしまった。
彩芽さんは私達が更衣室に入ってくるなり、もみじを捕まえて採寸をし始めた。
「あなた、私のママのファッションショーに出てくれない?服は作ってあげるから。」
と、真面目な顔で先輩は続ける。
「あの…彩芽先輩?ファッションショーって…?」
私が恐る恐る声をかけると、先輩はハッとした様な顔をして、
「ああ、ごめんなさい。えっとあなたは確か…ミドリちゃんだっけ?芽生さんの娘さんの。」
彩芽先輩が私のお父さんの名前をだす。
「あっ、はいっ!!そのっ、ファッションショーに出たら、その服、もらえるんですか?」
「ええ!もしかして、ミドリちゃんも出てくれるの?!伝説の魔法戦闘員の娘さんが出てくれるなんて凄いショーになるわ!!」
彩芽先輩が興奮したように言う。
「これでママも大喜びね!!」
彩芽先輩のお母さんは花の国一番のファッションデザイナーだ。国中にブティックを持っており、その服の人気は、同級生達の間でも凄まじい。残念ながら、私にはもう心に決めているファッションブランドがあるので、目移りすることはできないのだが。
「彩芽先輩、私達、そのショーに出ます!!だから、今日の二時までにショーで着る服を仕立ててもらえませんか?!」
私は意を決して彩芽先輩に頼んだ。
「本当?!それは嬉しいわ!今日の二時まで…って、あと一時間も無いじゃない!!早く作り始めなきゃ!!待ってね、今ミドリちゃんも採寸するから!!」
〜第三十三 ドレスアップ〜
「うわぁ!!すっごいかわいい!もみじ!!」
私の目の前で恥ずかしそうにうつむいているもみじは、紅のドレスを身にまとっている。綺麗なドレスはもみじの赤い髪にも、とてもよく似合っている。
「ありがとう…ミドリも、そのドレス、素敵だよ。」
私は彩芽先輩が作ってくれた深い緑色のミニドレスを着ている。
「さっすがママのデザイン!!誰にでも完璧に似合うドレスがデザインできる凄腕ね!!」
彩芽先輩が私達をジロジロと見ながら言う。
「…ははは…あ、ありがとうございました!彩芽先輩!!私達、用事があるのでこれで!!」
「えっ?!ちょ、ちょっと、ドレスは?!」
彩芽先輩が私達にドレスを置いて行くように言うが、私はもみじの手を引くとそのまま更衣室を出た。
「ミ、ミドリ?良いの、ドレス…」
「良いの良いの!どうせ私達の物になるんだし!汚さなければ大丈夫!!」
もみじが後ろを振り返りながら言うが、私は気にせずそのまま校門へと歩いた。
〜第三十四 竹鬼は天然たらし〜
「大丈夫かな…焦っててあのままにしちゃったけど、ちゃんと服は準備できたのかな…?」
ボクは自分の軽はずみな行動を後悔した。もみじさんとミドリさんの服の事をすっかり忘れていたのだ。
「…ヤマナカの事だし、大丈夫なんとちゃう?」
黒いベストを着た竹鬼がボクを慰める様に言う。正装ではあるが、竹鬼らしいラフな服装だ。
…それに対してボクは…
ボクは自分の服装を見た。淡い水色のワンピースだ。
ーはぁ…竹鬼の為とはいえ、これはやりすぎたかも…ていうか、ボク、なんで竹鬼の恋路なんて手伝ってるわけ…?
ボクたちは、あの後竹鬼の家に行き、竹鬼のお母さんに事情を話した。
物わかりが良い竹鬼のお母さん、風梅さんはすぐにボクの母親を家に呼ぶと、二人でボク達をドレスアップさせ始めた。
ボクの母、エリカはボクがワンピースを着ることを、とても喜んでいるようだった。母はボクの髪を綺麗にまとめ上げた上に、化粧までさせた。
ーはぁ…もう…めんどくさいなぁ…何もかも…投げ出したい…
「深呼吸やで、カレン!その服めっちゃ似あっとる!!」
「竹鬼…いや、そんな事、言われたくないんだけど。」
竹鬼がボクの肩に手を置いて八重歯を見せながら笑ったが、ボクは頬を膨らませてみせた。
「ええっ…悪い…こういうのは、大切な人から言ってもらいたい…しな」
竹鬼がバツが悪そうな顔をして空を見た。
「…ハハッ。別に良いよ。…キミは変わらないなぁ。こんなボクでも、変わらなく接してくれるし。」
そう、辛い時ボクの心を支えてくれたのは、いつも竹鬼だった。竹鬼はボクのたった一人の心が許せる親友だ。
「おおおおおおおおーーーーーいいいいい!!おまたせぇぇぇぇぇえええ!!」
すごく大きな声が聞こえたかと思うと、向こうからもみじさんの手を引いたミドリさんが走ってきた。
いやさ、ミドリ声デカ過ぎね?やばいと思うマジで。人のこと言えないけど。




