第二十七章+第二十八章 A Kind Of Handicap+Pink
ビッパプ消えそうな。夜が嫌いそうな少女にも。ツービート泣きそうな。嘘が嫌いな青少年にも。そう、もう同じ様に。
〜第二十七章 一種のハンデ〜
「わ、私、好きな人がいるのでっ!!」
…は?ちょっともみじぃぃぃぃいいい?!どゆこと?!
もうなにがなんだかわからなくなった私はカレンを床に叩きつけるともみじの元へ走った。
「ヘイヘイもみじぃ?!どうしたの?!」
私がもみじの目の前に立って激しくもみじの肩を揺すると、もみじはもう魂が抜けたように呆然としていた。
「その…どうしたらいいかわからなくて混乱して…」
分かる、分かるけども!!
「待ってガチで、まずはここを収めよう。」
私はもみじの目を真っ直ぐ見て言うと、もみじの手を引いて…
ー逃げた。タッタッカタッター。スタコラサッサと逃げた。
「いたた…ミドリさん、武道の才能あるよ。受け身取らなきゃ背中を強打してしばらく動けなくなってたかも。」
ロン毛メガネが起き上がりながら言った。
「カレン、自分受け身取るの遅かったやろ。どうせ地面に叩きつけられる寸前まで受け身取るか取らないか迷っとったんとちゃう?危ないから止めときやって。」
風の国の猿がメガネに手を貸しながら言う。
五月蝿い小娘とツリ目赤毛はどこかに行った。
「好きな人、ね、俺か。まぁ仕方な…」
「せからしかっ!!」
「竹鬼!!それは水の国の田舎の方の方言!!使っちゃだめなやつだよ!!」
猿が俺に喰いかかってきたが、メガネが猿を脇の下から抱え上げるようにして止めた。
「…なんだ。俺は事実を言っただけだ。」
「このっ…!」
俺が言うと猿がさらに喰いかかって来る。
「安心しろ。流石にあんな美人は適当にはあしらわねぇよ。美人は後が怖えからな。」
「うわムカつく。それはボクもいらつくねぇ。」
メガネが青い目を尖らせて言う。
「はぁ?!お前なんか、俺の眼中にはねぇよっ!!」
「…これでも随分な美形なんだけどね…っ!」
げぇっ!!
メガネは猿を抱えながら回ると俺に蹴りを放ってきた。
「くはっ!!」
メガネの攻撃は俺の腹をもろに捉え、俺は床に倒れた。
「いってぇ…よくそんな物履きながら動けるな…」
俺はメガネの履いているロングスカートを見て言った。
「…一種のハンデだよ」
その言葉を最後に聞きながら俺は気絶した。
〜第二十八章〜 ピンク
「だ、大丈夫もみじ。どうにかするよ」
「うん…ごめんね…」
私ともみじは待機場から逃げ出し、学校の廊下を歩いていた。周りには全く人の気配がしない。みんな試合を見に行ってるんだろう。
「さて…これからどうするか…」
私達の次の試合は第3ステージ、夕方からだ。時間はたっぷりある。
「ていうか菊夜キモすぎ。信じられないわ。」
「あはは…」
「女性の陰口か。性であろうと感心できないな。」
私が呆れたようにもみじに言うと、曲がり角から鮮やかなピンク色の髪の私達と同じぐらいの年の男の子が顔を出した。
「え誰?」
「は?」
私がいきなり現れいきなり上から目線のセリフを吐いたこの人に何者か尋ねると、男の子は目を見開いた。
「そなた…私が誰か知らないのか?」
「いや知らんし。ていうかそなたって何よ?古くない?」
私はズケズケと言う。最近リリィに影響を受けすぎてるのかも…
ピンクの髪に黄色の瞳。どこかで見た気もするけど覚えてないからしょうがない。
「もみじ、知ってる?この変人。」
「ミドリ…この人…いやこの方はこの国の王子様だよ…」
もみじが私を哀れみの目で見つめる。
「は…?王子?」
いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああああ!!無理!私の人生ここで終わり?!王子って何よ?!なんでこんなとこにいるわけ?!今は王様と一緒に試合を見てるはずじゃなかったの?!
「その通り。私はこの花の国、もとい、ロータス王国の王子、ストロベリー・ロータスだ。」
男の…王子が全身を壁の後ろから見せた。
…は?
ミドリの、意味深な言葉で終わったこの章ですが、果たして気になる続きは…?!




