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The Young Magic Fighters  作者: 神崎きのこ+山田後輩アロマ(マッチョ先生)+白鳥Sora+菊の花サラ(ヘボ弟子)
二次試験開始・2対2の実技トーナメントスタート!!
16/75

第二十五章+第二十六章 Kikuya's Lie+Hypnotic Magic

今回ちょっと長めなお話ですわ。いつも、すっごく短いけどね。へへへ。

〜第二十五章 菊夜(きくや)の嘘〜

「…」


はぁはぁ…なんで降参しないんだこのっ…


アタシが灼熱地獄を発動させてから何分たった…?時間が永遠に感じられる…この暑さでなんで…


「なんで耐えていられるのか…か?」

「!!アンタ…!?」

炎の中に菊夜・フローリストと思われる人影が見えた。


「またかかったな。催眠魔法。」


「!?…催眠魔法…」


「そうさ。今お前は何をしてるんだ?本当に今のお前は本物か?俺の作った幻想の世界に閉じ込められてるんじゃないか?」

「…!?」


嘘だ…この喋っているのが幻覚で今の状況は夢じゃない…アタシは確実に菊夜を追い詰めている…



ほんとに…?これは現実…?それとも菊夜が作り出した…


この暑さでまだそんなことをする余裕がある...?とっくにくたばってても良いはずなのに…



!!さっきから周りの声が一切聞こえない…?!それにこの炎…焦げ臭い匂いが一切しない…とても暑いのに…!?これは本当に菊夜の…



リリィ?!菊夜を押していたはずのリリィが急に魔法を解いた。


リリィはなんだかおぼろげな顔をしている。


煙の中から菊夜が姿を現した。服のあちこちが焦げていて、激しく咳込んでいる。



「ゴホッ!ゴホッゴホッ!!て…天候魔法、レイン…ゴホッ、氷結魔法、あられ…ゴホゴホッ!!」



菊夜が苦しそうに呪文を唱えると、大粒の雨がコートに降ってきた。


「…雨?そうか、火を消すために!」


「!!ミドリ、リリィさんのいるところだけっ!!」

もみじは私の制服の袖を引きながら青い顔で言ってきた。


 もみじに言われリリィの方を見ると、ぼーっとつっ立っているリリィの頭上だけあられが降っていた。あられがリリィの制服を裂き、肌を傷つけていく。


「何あれ?!ひどい…見てられない…」

私が言うと、みんなも悲しそうな顔をした。


「なんてやっちゃ…たとえこれが試合でも、惨いやり方で人を痛めつけるなんて…」

「これは流石に行き過ぎだよ。ミス・サクラが止めてくれると思う。」



「あっ!!リリィさんから血がっ!!」

もみじが叫んだ。




〜第二十六章 催眠魔法〜

 サクラ姉が試合終了の合図をすると、リリィは保健室に緊急搬送された。担架にのって運ばれる姿は、とても痛々しいものだった。


「…リリィ、大丈夫かな?付き人の人たちが家に連れて帰るって言ってたけど…」

「血も…」

もみじが心配そうに言う。


「あれは重症だろうね…」

「菊夜は菊夜で必死だったんやろうけどなぁ。でも流石にあれはなぁ…」

カレンと竹鬼もお互いに目をちらりと合わせて言う。


「…ああでもしなきゃアイツはまた立ち向かって来るだろ。」


「!!菊!!夜!!」


いつの間にかカレンと竹鬼の後ろに菊夜が立っていた。



「…俺の名前は菊!!夜!!じゃない。菊夜、だ。」



「いやいや。そんな事どうでも良いでしょ!なんでここにいるの?!」

「なんでってここは待機場。受験者なら誰でも入れるだろ。」


 …あ。そっか…なんか流れ的に聞いちゃったわ!


「立ち向かう……リリィさん、よくやってたもんね。」

「まぁ、あれは菊夜(きくや)ヤバかったもんな。ハハハ。」


「…五月蝿え…あんなのよゆーだったっつーの。相手すんのがめんどくさかっただけだ。」

カレンと竹鬼(たけおに)が菊夜に絡むと、菊夜はうざったそうに言った。



 …菊夜も…リリィのこと、認めてくれてたのかな…



「そういえば、最後リリィ、なんだかぼーっとしてたよね?心ここにあらず。みたいな。どうなってたの?」

「…催眠魔法だ。」


「菊夜は得意やもんなぁ。催眠魔法。」

竹鬼が菊夜の肩に手を回して言う。


「さっき使ってたのは、催眠魔法の感覚遮断でしょ?あれはいざやられるとなると怖いよね。」

 カレンが眉をひそめて言う。


「感覚遮断?」

私が聞くと、


「五感を奪う魔法だよ。どの感覚を選ぶかは実力次第で自由に変えられるけど…難しいから…」


もみじが応えた。すると菊夜が驚いたような顔をして、

「…お前もやったことあるのか?」

「…まぁ……」


「学校じゃ習わないよね?ボク達も本で読んだだけだし。そんなに詳しいわけじゃないよ。」

カレンが興味がありそうにもみじに詰め寄ると、もみじは一歩後ろに下がった。



「よしや。もみじが怖がっとるやろ。」


「……うん。ごめん、悪気は無かったんだよ。」

竹鬼がカレンに止めるように言うと、カレンは素直にもみじにあやまった。


「は、はい。気にしないで…さ、さっき奪ってたのは、嗅覚、聴覚ですよね?それに加えて超感覚で皮膚感覚を異常に強くして…」


「…お前、凄いな。」

菊夜が更に驚いたようにもみじに顔を近づける。



「ひゃっ!」



もみじは後ろにバッっと下がると私の後ろにまわった。



「…菊夜ウザいよ。イケメンとか騒がれてるから距離感分かんないんでしょ。」

私が蔑む様な顔で言うと、竹鬼も、


「そうだぞ。お前、顔が良いからって誰でもオトシて良いと思うなよ。」

「いや。落ち着いて竹鬼。なまり消えてるし。もみじさんは面食いじゃ無いから大丈夫だよ。」

カレンが風の国なまりが消えた竹鬼をなだめにかかる。


「…カレン…なんで分かるんだよ?もみじが面食いじゃ無いって。」

「だってきみそんなにかっこよくな…」


「はいはーい!!そこまでぇぇえ!!」

私はカレンと竹鬼に割って入り、カレンに耳打ちした。


(カレン言い過ぎだって!!ばれちゃうじゃん!!もみじに何されるかわかんないよ?)

(ごめんごめん。大丈夫だよ。竹鬼は鈍すぎるところがあるから。)


「おいカレン、何言いかけて…」


竹鬼が近づいて来る。私がもみじに困った様な視線を向けると、もみじは意を決した様に叫んだ。



         「わ、私、好きな人いるのでっ!!」


いぎゃああああ。もみじ、すっごいんだよね。うん。はっはは。君たちは、自分の好きな人が目の前にいる時、思いっきり『私・俺・僕・我輩・わし、好きな人いるので!!』 って言えますか?ははは。少なくとも僕は無理。恥ずすぎ。

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