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9.はじめての錬成

 




「では、どの分野から始めますか?」



「さっきスピカちゃんを生成した時に楽しかったから、錬成をやってみたいな」



「あら、私をきっかけに興味を持ってもらえるとは嬉しいですね。

 では、さっそく準備をしましょうか」



 まぁ、そこからが大変だった。

 さっきの特別な大釜はもう使用回数が無くなったから別のを使わないといけないんだけど、それを寝室に積み上がった箱の山から取り出すのに苦労した。


 スピカちゃんはどこにあるか分かるだけで、取ってこれるわけじゃないからね。

 私が探すしかないんだ。



 あの山の中から目的のものを見つけ出すのは非常に大変だった。

 だから、また次の探し物の時のために、どけた物を戻さずに箱ごと廊下に並べておいたよ……




 それだけ苦労して取り出したのが、これ。



 《はじめての大釜》

 初めて錬成をする人向けの大釜。

 大したものは作れないけれど誰にでも使える。



「なるほど、私のための大釜だね」



「そうですね。練習にはもってこいの道具です。

 素材は、こちらを使いましょう」




 《アパー草》レア度★

 その辺の薬草。赤くてすっぱい。


 《水》レア度★

 この家の水道設備から出た水。清潔。




「シンプルな説明だし、レア度1だから、私にも扱えるね。じゃあ、やってみよー!」



 大釜の隣に据え付けられている天秤ばかりで同じ量を量る。この辺はアナログなのね。



「よし、同じ重さになった。じゃあ素材ふたつを入れて〜、【錬成】!」



 すると、大釜の中身がさっきと同じように勝手にぐるぐる回り始める。


 最初は赤い葉っぱが水に浮いてるだけだったのに、



 ぷすん



 気の抜けた音がして、薄い水色の液体に変わった。



「おお〜! すごい! 魔法みたい!」



「みたい、ではなく魔法なのですよ。

 神の力で素材を薬に変えたんです。

 だから、素材は赤いのに出来上がりは水色、というようなこともよく起こります。

 場合によっては、入れていない物が製品に混じっていることもありますよ」



「魔法なんだね! 楽しいし、めっちゃ簡単だった!」



 人生初の魔法を使ったら、嬉しくなるしテンション上がっちゃうよ〜!






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