86.大興奮
予想外のことが目の前で起こって驚いていたけど、これはとっても良いこと発見しちゃったよね!?
ねーむちゃんは、ただかわいいだけで私のおうちに居る価値があると思ってたけど、それだけじゃなかったんだから!
★★の綿糸があるってことは、ここから加工すればもっとレア度の高いアイテムを作ることも多分できるよね?
ってことで、とりあえずスピカちゃんを探しに行こう!
「あ、スピカちゃん見つけた〜! 大変だよ〜」
「どうしましたか!?」
作業部屋の錬成エリアで何かしていたスピカちゃんを発見。
私が不用意に『大変』なんて言ったからスピカちゃんを慌てさせちゃった。
「ごめん、そんなに大変ではないかな。
ねーむちゃんがね、★★の綿糸をくれたんだ」
「はいっ!?」
大変じゃない、ってちゃんと言ったのに、スピカちゃんはこっちがびっくりするくらいに驚いた。
「綿糸の★★ですか? それは、この世に存在しないのでは……?」
「そうなの? まあキッチンに置いてあるから見に来てよ」
びっくりしすぎておろおろしているスピカちゃんを連れてキッチンに戻ってきた。
「これだよ。ねーむちゃんがほうれん草を食べて、ぶるぶるって体を揺らしたら落ちたんだ」
「……なるほど。やはり、料理と同じで、裁縫にも素材のレア度を上げる方法があったのですね。
しかし、これだけの短期間で見つけるとはさすがケサランパサランに見込まれた方だけあります。
素晴らしいことですよ!」
「そうかな〜。普通にねーむちゃんがプレゼント置いて行ってくれただけだよ?」
「まず、倒すしかない魔物だと思われていた《綿羊》を仲間にしただけでも素晴らしい事でした!
なのにその上、ドロップアイテムを貰う方法が分かり、さらにはそのアイテムのレア度まで上げてしまうとは!
本当に素晴らしい発見ばかりです!さすがアカリさま!」
感動からか、えらく早口でまくし立てるように話すスピカちゃん。
こんなに興奮している所を見るのはもしかしたら初めてかも。
それくらい、もう大興奮でぴゅんぴゅん飛び回っていた。