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78.揺れるツインテール

 



 分量をスプーンとかで計りながら作ったら、いつもと感覚がちょっと違ってきちんと完成させられるか不安だったけれど。



 ぽふん



「いつもと同じ★★★の麻婆豆腐が出来てるね」


「そうなのね〜。これなら、私でも出来そうかも〜」



 ノートに材料それぞれの分量をメモしていたミンタカに、早速自分でやってみてもらう。



「あれ、どのスプーンだっけ……? あ、スプーン小で2杯か〜」



 さっき見たばかりな上に自分でメモも取ったのに分からなくなってるのがちょっと面白い。

 この世界の人は誰もやったことのないことだから戸惑うのは当たり前なんだけど。



「よし〜! これで大丈夫なはず〜」


「横で見てたけど、合ってたよ」


「じゃあ、スキル使うね〜」



 ぱふ〜ん



 いつもと同じような、気の抜けた音がして麻婆豆腐が出来上がる。



「やった! ミンタカ、ちゃんと出来てるじゃん!」


「そうだね〜。ちゃんと出来て良かったよ〜

 わたし、そんなにレベル高くないのに★★★生産が出来ちゃうなんて感動〜!」



 紫のツインテールを揺らして大げさなくらいに喜んでいる。

 嬉しそうで何よりだね。



「この手順でミンタカに出来たってことは、他の人にもできるよね?」



「うん〜。出来ると思うよ〜。

 私ひとりで作れる量じゃ少ないし、他の人連れてきてもいい〜?」



「もちろん! 覚えてくれる人は多いに越したことはないからね」



「じゃあ、私の妹と弟を連れてくるよ〜」



 他の人に教えるのはまた都合のつく日を見つけてからでも良いと思っていたけど、今日やるんだね。

 スキップでもしそうなくらいにウキウキで部屋を出ていくミンタカを黙って見送るしかできなかった。





「ミンタカ、喜んでたね」


「当たり前ですよ! ★★★生産なんて、長い経験を持ってレベルを上げた一部の職人が、最高級の素材を使ってようやくできることですから!」



「それなら、自分が出来た、ってだけであれだけ喜ぶのも分かるかも」



「アカリさまは何の不自由もなく普通にしていることでも、多くの人にとっては本当に素晴らしいことなんですよ」



「スピカちゃん、褒めてくれてありがとう〜!」



「私は事実を言っただけですから」



「ミンタカには喜んでもらえて、カストルさんは麻婆豆腐がいっぱい手に入って、私は大量生産をしなくて済む。

 みんなが嬉しくなれること出来て良かったよ」



「これによって救われる人も沢山居るようですから、これからもどんどん広めていけたらいいですね」



「うん、本当にそう思うよ。スピカちゃんも、一緒に頑張ろうね」


「もちろんですよ」



 一人では出来ないことも、誰かと一緒なら出来ることって、沢山あるよね。


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