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75.ミンタカ

 



 いやあ、やっぱり仕事が速い男は良いね!


 あっという間に段取りを整え終わったみたいで、いつでもいいから是非とも教えてほしい、という返事がやってきた。


 私としては日々増える素材をどうにかしたいので、なるべく早くと言ったら明日で良いと言うから、びっくりしちゃった。



 私は基本何の予定もない人間なので、二つ返事でOKしたけど。




 翌日。

 必要な素材と調理道具一式を持って《夕嵐の双翼》のクランホームに向かう。


 場所を忘れてて危うく迷子になるところだったけど、マップにマーキングしておいたおかげで助かったよ。



 クランホームのロビーに着くと、カストルさんは待ってくれていた。


 案内に従って階段下の扉の前に立つ。



「この扉が、それぞれの生産設備のある部屋に繋がってる。

 使いたい部屋にこのダイヤルを合わせてから開くと、そこに行けるというシステムだ」


「へー! すごっ!」



「場所は取らないし制作コストも安いんだが、部屋を作った素材以上に高級なものは作れない、というデメリットもあるな。

 この部屋で生産可能なのは★★★までだ」


 だから、ベガさんが使ってないんだな。納得。



「なるほど〜! でも、★★★★のものも作り方教えようと思ってるんだけど、どうしたらいいですか?」



「今設備を整えているから、それが出来てからにして欲しい。5日程でできるはずだ」


「分かりました」


【料理】に合わせて扉を開くと、何の変哲もないキッチンに繋がっていた。

 一通り見たら必要な道具も揃っているし、大丈夫そうだね。




「あっ、アカリさん〜 もう来てたんだね〜。遅くなってごめん〜」



「紹介するぞ。こいつが今回料理を教えてもらうミンタカだ」


「ミンタカです〜 よろしく〜」


「よろしくね」



 ミンタカさんはラベンダー色の髪と空色の瞳の綺麗な女の人だ。

 この世界の人はシンプルな髪型が多い中で、編み込みツインテールにしてる辺り、手先の器用さが分かるよね。


 喋り方ものんびりだし、ちょっと眠そうな目もかわいい、感じの良い人だな。



「呑気すぎる奴で戦闘はからっきしだが、生産には興味があるらしい。

 変わり者だが、熱心ではあるから頑張ってくれると思う」



 詳しく聞くと、この辺りでは戦闘に必要ないことにはあまり価値が認められていないらしい。


 食べ物は放っておいてもできるから職人で無くても良いし、家や服に手間を掛けても魔物に襲われたら無くなってしまうから、というのがその理由なんだって。

 それよりも、魔物と戦う力のある人の方が良い、というのは分からないでもないけど過酷な世界だな。



 そのせいでアイテムの品質が上がらなくて戦闘で苦労しているのが辛いところだけど。





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