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67.もぐら

 



 カストルさんにメッセージを送ってから、気が向いたから庭に出てみる。


 最近、庭は完全にアルマクさんたち土妖精(ノーム)のものになってるから、あまり近づいてないんだよ。



 良いお隣さんの関係で居たいというか、お互いに邪魔しないように、みたいな。

 決して私がコミュ障だとかそういうことじゃないからね?



 とは言え、私からは何もしていないのに冷蔵庫の野菜がただ増え続けている現状はあまり良くないと思うから、何か恩返ししとこうと思ってる。



 ちょうど休憩時間だったようで、みんな木陰に集まってポテトサラダを食べていた。



「アルマクさん、調子はどう?」


「ん、良い。うまい」


「それはよかった。他のじゃがいも料理も食べたい?」



「ほしい。それに、種も」


「じゃあまた新しい料理を考えとくね。

 種は、じゃがいもの種が要るの?」



「じゃがいもは、ある。ほかの」



 ずい、と手を突き出された。

 やる気満々じゃん。



「何が良いだろう?」


 とりあえずワールドマーケットを開けて、種を探す。

 薬草の種もあるけどまだ錬成はほぼ出来てないから後回しでいいよね。


 やっぱり野菜中心にしておいた方がいいよね、ってことで、沢山買ってみました。



 ・トマト

 ・きゅうり

 ・ナス

 ・キャベツ

 ・レタス

 ・ほうれん草

 ・さつまいも

 ・ピーマン

 ・玉ねぎ



「これくらいでどうかな?」


「良い。だが、すぐには出来ない。場所がない」


「全然急いでないからいつでもいいよ!

 貰ってるだけで本当にありがたいから」



「それならいい」



「アルマクさんの作るじゃがいもとにんじんから作るポテトサラダはめちゃくちゃ人気なんだよ?

 だから、欲しいものがあったら何でも買えるの。何かない?」



 比喩じゃなく、本当に何でも買えるレベルの売り上げだからね。

 私のところに貯まってるだけなのもおかしな話なのでどんどん還元していきたい。



「ほしいもの……」


 しばらく宙を見つめて考えている様子。


「よい土、よい水」


「やっぱりそれなんだね。水は、今のよりも良いのが欲しい?」



「水は、まあいい。土だ。土が欲しい」


「土、ねぇ……」



 そもそも、この世界には『農業』っていう概念がない。

 種を撒く、収穫する。それだけ。


 だから、高品質な水はもちろん、肥料もない。

 たぶん腐葉土もあると思うけど誰もレシピを発見してないだろうし。


 お金があってもどうにもならないことというのもある。



「よい土、無いか?」


「無いねぇ……」


「ふむ。なら、土竜(もぐら)を連れてくる。良いか?」


「いいよ」



 確か、もぐらとかミミズとかは土を元気にするんだよね?

 土妖精(ノーム)土竜(もぐら)は相性良さそうだし、私としては引っ越してきてもらっても全然OK。




 アルマクさんのお仲間が、土妖精(ノーム)以外にも増えるようです。


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