61.かわいいエプロン作り
では、エプロン作りスタート!
張り切って始めたのにすぐに最初の壁に当たってしまった。
それは、『型紙と思ってるエプロンが違う問題』。
考えてみたら当たり前なんだよ。
型紙ってそのためにあるんだから。
料理は、完成を何となく目指して調味料入れたりするじゃん?
その時入れた量で本来出来る味と、スキルで作った時の味は多分違うんだよ。
『私の作る麻婆豆腐』と、『この世界で設定されてる麻婆豆腐』の違いがある。
だけど、それはあんまり気にならないのよね。
私の舌はそんなに敏感じゃないから、全然許しちゃう。
料理はそれでも良いんだけど、裁縫はそうはいかない。
見た目も違うし可愛いのがいいし!
機能が同じならいいや、とか思えないから、やっぱりちゃんと型紙から作ります。
私がイメージしてるかわいいエプロンは、腰ひもがベルトみたいになってて下側がギャザースカートみたいにひらひらしてるやつ。
どちらかと言うとギャザースカートの上にエプロンの胸当てが付いてる感じだからスカートの型紙をベースにしようか。
また大きな紙を持ってきて、印を打って型紙を作るけど、これで合ってるのかなぁ?
とりあえず、スカート部、胸当て部、腰ひもの3パーツに分けて型紙を作ってみた。
普通の型紙をちょっと簡略化した感じね。
私が選んだ布はあんまり量がなくて失敗出来ないから、色違いの布で一旦作ってみよう。
布の上に型紙を置いて〜、
「えっ、無理なの!?」
手順どおりなのにスキルが発動しない。
「型紙として認識されていないようですね……」
「書き方が悪いってことかな。描き直すよ」
その後、長さを記入してみたり繋げた風に描いてみたりしたのに全然スキルが発動しない。
何度も描き直して調整してたけど、いい加減嫌になっちゃった。
「あー、もういいや! 手作業で作ってやるぅ!」
型紙の判定がこんなに難しいなら、わざわざ型紙にこだわらなくてもいい。
作れるところだけスキルに頼ろう!
まずはスカート部分の型紙を作る。
ギャザースカートの型紙をちょっといじくって、巻きスカートの後ろが開いてるバージョンみたいな型紙を作成。
《ギンガム巻きスカート》★
効果:なし
素材:コットンギンガムチェック★、綿糸★
道具:裁縫箱
スキル:裁縫
「あのあの、サラッと新アイテムなんですが、巻きスカートって何ですか?」
「あれ、巻きスカート無いの?
普通のスカートよりも作るの楽そうなのに」
とはいえこれはまだウエスト紐がついてない。
「次はベルトを作るよ〜」
……スピカちゃんの疑問?
完成まではとりあえず放置させてもらいます。笑。