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56.呼ばれた理由

 




「あれ? 悪いのはあの毛玉じゃない?」


 水色ハイテンションお姉さんことアルヘナさんの、意外と上手な昔話を聞いた感想はそれだった。


「毛玉って! そんな言い方しないであげてよ!

『2つの素材を同じ量』っていう言葉を授けたのがケサランパサランだから、生産者達の間ではめちゃめちゃ信仰されてるんだよ〜?」



「実際に出来上がるんだから間違ってはいないけど、言葉が足りなさ過ぎるよね?」



「アカリちゃんが言ってるとおりだとしたら、ちょっと間違ってるとも言えるかもねー?」



「そうなんですよね……」



 たぶん、ケサランパサランにお告げを貰った人たちは頑張ってスキルを使おうとしたんだろう。

 組み合わせ探したりね。


 この世界は思いのほか過酷だから、魔物から追われる生活をしている間に上手く伝達出来なくなってしまったこともあるんだろうな。


 戦闘の技術は命に直結するけど、生産はそうじゃないから。



「ああ、だから私を呼んだのかな?」


「呼んだ、って?」



「信じて貰えるか分からないけど、私はここじゃない世界で暮らしてたんです。

 ついこの前、よく分からないままに呼ばれてこちらに来たんですけど、こちらに来る前に軽く事情説明してくれたのがケサランパサランっていう毛玉でした」



「えぇーー! めっちゃすごいじゃん!

 世界を見守る存在と、直接話したってことだよね!?」


「まあ、そうですねぇ。

 毛玉的には罪滅ぼしのつもりなのかもね。

 もしくはお告げ作戦が上手くいかなかったからリトライなのかも。

 私には何の説明も無かったですけど」



「理由なんて何だっていいよ! すごーい!」



 アルヘナさんがでっかい声でみんなに説明してくれたおかげでめちゃくちゃ盛り上がったんだけど。



「すみません、盛り上がってるのに申し訳ないんですけど、目立って面倒な事になっても困るのであまり言いふらさないで貰えますか?」



「もっちろんだよーー!」



 噂は広がっちゃうものだし、完全に知られないことは出来ないだろうけど、私の家はベガさん特製の異空間にあるから最悪逃げ込めば大丈夫でしょ。



 それより、自分の呼ばれた理由とかこの世界の事を知れたことの方がよかった。


 引きこもってばかり居ないで他の人と交流するのも大事なんだね。



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