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53.スキル以外

 



「あ、ようやく見つけた! クラマス、大変だぞ!」



 叫んでるのが誰かと思ったらさっきスピカちゃんのワンピースの話をしてた男の子だ。

 体格的にはギリギリ未成年かな、くらいの年齢だけど落ち着きが無いせいでかなり幼い印象。


 さっきからずっとカストルさんとポルックスさんと話してるのに気づかずに探し続けるくらいだからね。



「プロプス、どうした?」



「あの妖精のワンピース、落下耐性+8も付いてるんだってよ!

 それだけありゃあ、《岩蟲 イツトリ》を討伐に行けるんじゃねぇか!?」



「マジか!?」



「ええ、本当ですよ〜!」


 ポケットから飛び出したスピカちゃんが上機嫌に自慢する。


「アカリさまは素晴らしい生産者なので〜!

 初心者でも出来る効果付きアイテムの生産方法を編み出したのです!」



「その、初心者が出来る方法っていうのはどんなものだ?」


 簡単に手順を説明しただけなのに、カストルさんは驚いて固まってしまった。


「…………《裁縫箱》は、スキルを発動させるためのものじゃなかったのか?」



「スキルにも使いますけど、思っているより色々出来ますよ」


 この世界のスキルは便利だけど、便利すぎてスキル以外のものが発展しないのは玉に瑕だよね。





「うーむ、非常に有用な情報をありがとう。

 しかし、それを公開するとしたら、かなり大変だろうな」


「何故ですか?」


「誰もしたことのない、想像もしたことのない事だから、単に掲示板に書き込むだけでは出来ないかもしれない。

 直接話を聞いた俺でも、今すぐ出来るかと言えば自信がない」



 なるほど。

 たしかに、家具の組み立てとかでも説明書が写真なしの文字だけだと難しいよね。


 それを、裁縫をしたことのない人に初歩を教えようって言うんだから、冷静に考えたら一大事だ。

 YouTubeの動画付きでも難しいかも。



「それなら、私が直接教えた方が良いですね」



「本当に、そんなことをしてくれるのか!? 弟子を取る訳でもないのに?」



「弟子とかはちょっとめんどくさいので嫌です。最初の部分をとりあえず教えて、後はある程度自分で頑張って欲しいんですけど」



「効果付きアイテムの作り方などと言えば、生産者なら誰だって来たがるだろう。

 一日でも良いから日程を調整してもらえないか?」



「良いですよ〜」



 量産作業を辞めてもっと楽しいことをする時間をとるためなら、家庭科の授業だって頑張ってやるよ!






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