表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

43/133

43.良い水



 翌朝起きて、気が向いたから庭へ出ると。


 ……アルマクさんっぽい人がいっぱいいた。



「あのー? アルマクさん? どちらさま?」


「ん? 俺の仲間。みんな来た」


「うす」

「おう」

「ども」


 近くにいた数人がこちらへ挨拶してくれる。

 作業の手は全く止めないし、遠い人はこちらを見てもくれないけど。全部で10人近いよね?


「良い土だから、喜んでる。畑、広げるぞ?」


「気に入ったんだったら、よかったよ。畑はお好きにどうぞ」


「おう。今日の分は、もう置いてある。あとでうまいもの作れ。明日も、期待してろ」


「……うん」


 え、あの量のじゃがいもが毎日届くの? 控えめに言って地獄じゃない?

 まあ、アルマクさんが楽しそうだから良しとしよう。


 ただ、気になるのは石が積まれた《土妖精(ノーム)の塚》が増えてること。石積みが沢山並んでるとお墓みたいなんだけど……?


「アルマクさん、なんで塚が増えてるの?」


「あれは、家だ。引っ越したら、もちろん、家が要る」


「あ、そうなんだね」


 あれが家だとは思いにくいけど、妖精だし、本人が言うならそうなんだろう。



 のんびりペースながらもしっかり働く彼らを見てて、ちょっと思った。全然畑仕事してないのに収穫物だけ貰ってて申し訳ないなぁ、って。


「そういえば、欲しいものとかある?」


「良い水、良い土」


「水かあ……ちょっと待ってね」


「いつでも良い」



 ワールドマーケットをちょっと覗いたら、色々なものが売られていた。

 主に細工師向けのもので、水を使ってものを作る時用の簡易水道みたいなお安いものもあるし、効果付きのめちゃくちゃ高いのもある。


「これとかどうかな?」


「良い。欲しい。買えるか?」


「アルマクさんが作った野菜とか、それを使った料理を売って良いなら買えるよ?」


「どんどん売れ」


「じゃあ早速注文しちゃいまーす」


 それが、こちら。お値段180万キラとかなり高額だけど、その分素敵な効果付き。

 この程度の金額なら、私の懐具合からしたら買えるからね。沢山料理して売れば充分回収できる。


 《神水龍の聖なる泉》★★

 滝登りののちに神の領域に達した水龍のチカラを秘めた泉。

 効果:聖水の湧き水(一時間に3リットル)



 購入したら、その場で設置操作になった。


「アルマクさんー? これ、どこに置けばいいー?」


 私は気楽に言ってるけど、泉を置こうっていうんだから大事だ。


「ん、ちょっと、待て」


 片手で私を制して、みんなで集まって会議をしている。うん、全部で8人いるんだね。


「ここへ」


 アルマクさんが指定した所にぽちっと『設置』。


 ぼふーん


 いつもより重ための効果音と共に泉が出来た。

 大きさは幼児プールくらいであまり大きくないけど、真ん中からほのかに光っていて神秘的だ。


「良い水だ。ありがとう」


「気に入って貰えたなら良かったよ〜」


「俺の作ったもの、どんどん売れ。それで、また良いものを買え」


「分かった! 私も頑張って料理するから、アルマクさんも頑張ってね?」


「もちろんだ」


 ノームの仲間もたくさん増えたし、どんどん頑張って料理しようっと!




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ