42.仲間を呼ぶ
「よしよし、これであとは量産するだけだね。でも、大量のポテサラが冷蔵庫を圧迫してるよねぇ。どうしようかな」
「売るにも効果が高すぎるように思いますよ?」
「それに、これは私だけで作ったんじゃないから、先にアルマクさんに聞いてこよう」
庭に出たら、アルマクさんは木陰でポテサラを食べていた。まるでアイスクリームでも食べるみたいにぺろぺろ食べるのがちょっとかわいい。
「アルマクさん、いっぱい貰ったじゃがいもとかにんじんのことなんだけど」
「どした?」
「私一人ではあんなに沢山食べないし、どうしようかな、と思って」
「おれが食べる」
「今、冷蔵庫に300個くらいあるんだけど全部食べる?」
「それは、多いな」
「だよね。で、提案なんだけど……」
売ろうか、って言おうとしたら被せるように彼が話し始めた。
「だが、大丈夫だ。食い物があり、場所がある。仲間を、呼ぼう」
「……仲間?」
「ここは、土が繋がっていない。だが、呼べば皆来る。いいか?」
「いいよ。もちろん。どうしたらいいの?」
「どこでも良い、どこかの土と繋げてくれ」
「スピカちゃん、出来るかな?」
それまで黙って聞いていたスピカちゃんに聞いてみる。
「土を繋げる、というのが何かは分かりませんが、自然豊かなところであればエメラルド大森林またはトパーズレイクが、リンクポイントとして設定されていますのでいつでも行けますよ」
「いや、畑のあるところが良い」
「では、モルガナイト村の周辺はいかがですか?」
「そこへ、繋げろ」
「今だけでいいですか? いつでも行けるようにしますか?」
「引っ越すから、時間かかる」
「では、恒常ポイントとして、アルマクさんに権限を付与してよろしいでしょうか?」
「スピカちゃん、頼りきりでごめんね。それでお願いします」
「では」
きらきらきら〜っとアルマクさんの周りにラメが降り注ぐようなエフェクトが起こって、付与完了らしい。
「門から出る時に、行先の選択肢が表示されます。現状ではモルガナイト村にのみ繋がっていますので、いつでも行ってらっしゃいませ。
また行先を増やすときは言ってくださいね」
「おう、楽しみにしとけ」
妖精さん二人が仲良く打ち合わせしてるとそれだけでなごんじゃうね。