37.ポテサラ改
「おい、アカリ。じゃがいもだ」
「アルマクさん、ありがとう」
わざわざ家の中まで探しに来てくれたみたい。
……ん? 私、にんじんと豆を頼まなかったっけ?
まあいいや。
「ポテトサラダ食べる?」
「ん、食べる」
「じゃあ出来たら持っていくよ」
「他のも、台所に置いてある」
「ありがとうね〜」
アルマクさんにも気に入って貰えてるみたいだし、張り切って料理しますか!
気合いを入れてキッチンに入ったら、床に山が出来ていた。
「スピカちゃん、これ、どうしよ?」
にんじん、じゃがいも、大豆がそれぞれ山になっているのだ。豆はまだ乾燥したサヤの状態だから、出せばもうちょい減るだろうけどさ……?
「アルマクさんの期待の現れではありませんか?
アカリさまに出来るのは応えられるように努力することでしょうね」
「だよね」
とりあえずはポテトサラダを大量生産することにした。
スキルを使うと待ち時間がないからサクサク進むのがいいよね。
その分、のんびりするヒマもないんだけど。
そうは言っても、アルマクさん一人で100人前のポテサラは食べないだろうから、死にそうなレベルの苦行ではないでしょ。
《ポテトサラダ》★★★★
効果:防御+22 満腹度+33
素材:じゃがいも★★、にんじん★★、玉ねぎ★、きゅうり★、ハム★、マヨネーズ★、塩★、こしょう★、レモン汁★
道具:鍋
スキル:料理
「わー、スピカちゃーん! ★★★★になったよー?」
「え!?」
「じゃがいもとにんじんのレア度が上がったからだよね? 特に、じゃがいもは沢山使ってるし」
「そうとしか考えられませんが……
しかし、★★★★と言えばそれはもう、とてつもなく貴重なものですよ?」
「でも、アルマクさんが居れば量産出来ちゃうよ? 別にアルマクさんじゃなくても出来るだろうけど」
「アカリさまも★★のにんじんは収穫出来ましたからね。
え、本当に……世界の常識をことごとく覆されて驚くのにも限界がありますからね!?」
口では文句を言ってても、おめめがキラキラしてるよ? スピカちゃん?