15.ワールドマーケット
「販売に手を出すのは先の事かと思っていましたが、こんなに良いものが出来るなら話は違います!
販売について、説明しますね」
ウッキウキなスピカちゃんがぴょんぴょん飛び回りながら説明してくれる。
「販売方法は2つあります。
まず、直接販売です。お店などでお客さんに見てもらって、それを売り買いします。
手間は掛かりますが固定のお客さんが付いたりもしますね。
高額であれば直接見て、信用できる所から買いたいという方も多いので、そういう需要もあります。
2つ目はワールドマーケットです。
これはアカリさまの世界でいう通販のようなもので、出品してデータ上でやり取りし、魔法の力でアイテムを送ります。
多くの人に見てもらえる代わりに手数料として10%がなくなります」
「なるほど。ワールドマーケットの方が私には良いね。対面もいつかはやりたいけどハードル高いよ」
「私もそう思いますよ。
実際にやってみましょうか。
メニューから販売出来ますので開いてください」
言われた通りにメニューを開く。
「『販売』タブから商品登録をお願いします」
今回はまず麻婆豆腐を売ることにしてみる。
まるでメ○カリのようなシステムだね。
違うのは、登録の時点で商品を預けること。
預けた品物がそのまま商品写真になってるみたい。
レア度や説明なんかは自動で入力されて、私は金額を決めるだけなんだけど。
「私、ここのお金が分からないんだけどさ……?」
「私が決めてもいいですが、それだと後々不便ですよね。
ワールドマーケットの『購入』から、商品を見てみてはいかがでしょうか?」
ワールドマーケット、というだけあってめっちゃ色々売ってるな!
確かにほとんどは★1の品物で、食材や雑貨な服など、本当に色々だ。
検索機能や、レア度、値段による並べ替えも充実してて、買い物しやすそう。
お金の単位は『キラ』なんだけど、普通にみてる限り、日本円とほぼ同じ感覚で良さそうだね。
「★★★のものはいくら位かなー?」
ジャンル:料理 レア度★★★
でソート検索!
「あれ?4こしか出てこないよ? それに、めちゃくちゃ高いし」
卵十個が100~130キラなのに、
《御影牛のステーキ》★★★
とても固いモンスター牛のステーキ。固いけどおいしい。
効果:石化耐性+11
値段:300000キラ
「えっ、おかしくない? ステーキひとつで30万でしょ!?」
「それは妥当なお値段ですので、どこかの冒険者クランがボス攻略に行く時にでも買って使うでしょうね。
効果付きの物は何でも不足していますから、数が揃わなくて攻略に行けないことも多いそうですよ」
「なるほど、そんな状況なら、スピカちゃんも食べずに売ってって言うよね」
「分かって頂けたら良かったです」
自分が普通に作った麻婆豆腐が、やたらと価値のあるものだってことが分かったよ。