14.★★にする手順
「レア度は一般的に、★が普通にそのあたりで手に入るもの、★★は、何とか庶民の手が届くかどうか、★★★は冒険者や商人など力のある人が使うものです。
★★★★はかなりレアで国所属の騎士団がここ一番の時に使うようなアイテムですし、★★★★★は伝説級、お金では買えないものです」
「へぇ、★★でも結構すごいんだ」
「生涯の中で★以外を見ない人も多い、そういうレベルです」
「じゃあ、このごはんもまあまあすごい?」
「そうですよ! 素材よりも高いレア度の物を作れるだけですごいです。
というか、なぜ★★になったんでしょう?
今回は米と水だけですよね?」
「うん。普通に研いで炊いただけ」
「研ぐ、とは?」
「え、こうやって、洗うみたいな。もう一回作るよ」
私では何が良かったのか分からないから見てもらった方が早いからね。
やってみると。
「わかりました。まず、その研ぐ動作がプラス要素として大切なのだと思います。
それに、水の量も影響しているでしょうね」
「じゃあ、研がずに適当な水の量でやってみたらどうなるのかな?」
研がずに米をそのまま鍋に入れて、米と同じ重さの水を入れる。
普通に炊いたら固くて食べられないごはんになりそうだけど、祈るしかない。
それでは、ぽふん。
結果的に、固くないちゃんとしたごはんができた。
《ごはん》★
おいしい白ごはん。和食に合いそう。
効果:満腹度+16
「これは、普通ですよ」
「味は違うのかな?」
食べ比べてみたけど、
「あんまり変わらないねぇ。ちょっとおいしい気もするけど、気のせいかも」
「やはり、普通にすると普通の結果になるのですね。
適切な手間を掛けることでレア度が上がるのでしょう」
分析するようにごはんと麻婆豆腐の間を飛び回るスピカちゃんを横目に、引き出しからスプーンを探し出す。
「じゃ、私の手順で料理をしたら凄く良い効果がある事が分かったところで、いただきまーす!」
「えっ!? えっ! 食べてしまうのですかっ?」
「食べるよ? 食べたいから作ったんだし」
「お願いですから、売っていただけませんか!」
「売るって、どういうこと?」