131.薬草
「ふぅ〜。スピカちゃん、また忙しくなりそうだねぇ」
「そうですね。しかし、アカリさまは気楽に居れば良いと、そう思うのです。
今でもとーっても頑張っていますから、誰もこれ以上の働きは求めませんよ。
のんびりと、自分の出来ることだけ、やって行けばそれで充分です」
くるくると飛び回るスピカちゃんは、私のことを心配してくれている。
心身ともに負担が掛かってる、って分かってくれているんだ。
「スピカちゃん、ありがとね。ちょっと休憩したら、だいぶ元気になったよ!
あと、やることは……? そうだ、アルマクさんにもちゃんとお礼言っとかないと!
超特急で薬草作ってもらったんだから」
「そうですね。★★★の薬を作れたのは間違いなく彼らのおかげです」
「だよねだよね! じゃあ早速行こうか!」
お外に出たら、森の傍に生えている一際大きな木の下に集まって寝転び、のんびり休憩していた。
ちっちゃいおじいちゃん妖精がぎゅーっと集まってるのは何となくかわいいね。
「みんなー! 薬草作ってくれて、ありがとう!」
「ん。大丈夫か?」
「私は何とも無かったよ。街は大変だったけど、薬のおかげで救われた人も沢山居たの。
アルマクさん達が頑張ってくれたおかげだよ!」
「ん、良かった」
いつも通りの薄い反応だけれど、口ひげ付近がひくひく動いているのが見える。
結構喜んでくれてるね。
「じゃあ、次は、薬草を作るか?」
「そうね、お願いしてもいい?」
「もちろん。野菜は、作りすぎた。次は、薬」
「作りすぎてはないよ? 私が作るの遅くて間に合ってないだけで」
土妖精さん達の努力を否定する気は全くない。私が遅いせいだし。
「ここでは、作った全てが収穫できる。魔物は、居ない。それを考えて、作るべきだった」
収納庫に山積みになっている野菜を見て、アルマクさんもやりすぎだと感じてくれているらしい。
「でもね、王都の人たちに生産を教えようと頑張ってるの。だから、もっと素材が必要になる時が来るはず!
その時は、よろしくね?」
「ああ。お前も、頑張れ。おれも、頑張るから」
「うんっ!」
何かいい感じに話が纏まってよかったな、と思っていたら。
「あのな、ちょっと、困ってることがある。
この場所、広げるの、いつになる?」
一難去ってまた一難、新しい問題発生ですか?