108.実験結果
「90になったのはバラバラに切ったやつでしょ?
110になったのは……2cm幅か。
思ったより大きかったね」
勝手な想像で、細かい方が汁がいっぱい出て効果が高そうだと思っていたから意外だった。
今プロキオンに作って貰ってるのは0.5cmかそれより小さいくらいのだから、大きくしてもらわないと。
「レア度が同じでも効果が変わる……新発見ですっ!」
スピカちゃんはまたテンション上がっちゃってるよ。かわいい。
「いい情報GETだね。
確か、プロキオンへの大きさの指示は、まな板の目盛りでやってるよね?
適当なまな板買って、目盛り打ってから送ろうかな」
……また行くのめんどくさいな、とか思ってないよ!?
「いや、送る前に、これ10枚くらい作るか。そしたらプロキオンも、仲間を増やしやすいよね」
包丁とまな板の値段はそう高くはないんだけど、今の使い方ではかなり高レベルな人がとてもレア度の高いアイテムを作る時に使う、と思われているらしい。
だから、あまり数がないのだ。
まあ、スキルで勝手にやってもらうにはそのレベルが必要なので、私の使い方が変だと言われたらそれまでなんだけど。
「ってか、ワールドマーケットは文字通り世界中の物が売られているはずなのに、まな板が3枚しかないってどういうことよ?」
「まな板を使えるレベルの人はとても少ないですからね、作っても意味が無いかと」
「作るのは難しい?」
「細工スキルの中の、木工で作れますよ」
「じゃあ、作ろっかな。いや、出品している人が居るんだから、この人に頼もうか」
「何故ですか? アカリさまが作れば良いのでは?」
「単純に、出来ることは他の人に任せちゃおうと思ってるだけだよ? 私にはやりたいことがたくさんあるし、私にしか出来ないこともありそうだと思う。
だけど、それ全部をやるには到底時間が足りないのよ!」
そう、最近のちょっとした悩み。
日々色んなことが起こり過ぎてて、やりたいことは多いのに時間がないの。
思いつきで行動してるから、やろうと思って忘れてることもたくさんありそうだし。
「ミンタカ達に任せたのもそうだけどさ、私の身体は一つしかないんだから、出来ることは他の人にやってもらわないと、とてもじゃないけど時間が足りないんだよ」
「確かにそうですね」
「だから、この人に依頼しよっと。一番最近に出品してて、値段もお手ごろ。良いんじゃない?」
ということで、早速注文しちゃおーっと。