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47 オーティナティック実況(17)


 俺たちは礼拝所に向かい、ユーゴを横に寝かせた。そして適当を包帯を巻く。

 この世界ではどうやらこれだけで治療ができるそうだ。ゲームの世界というものはなんとも便利なものだ。


「これでユーゴは大丈夫なの?」


「はい、もう命の危険はありません」


 その言葉を聞くと、彼女は顔をおおって泣き出した。


「よがっだぁ…………」


 俺は思わずギョッとする。

 一人にしてあげた方がいいだろうと思って部屋を出ようとすると、ユーゴが目を覚ました。


「ここは…………」


「中尉、起きられたのですね!体に違和感などはありませんか?」


「違和感などは特に感じないが……それよりもオーディンとの戦いはどうなったんだ」


「安心してください。憎き人類の敵は無事討伐することができました」


「そうか、それは良かった……」


 ランが思わずといった様子で彼に抱きついた。


「ユーゴ、本当によかったよ…………」


「ランさん、あんた生きていたのか」


「うん、あなたが身をていしてあたしを守ってくれたから」


「おれは軍人だ。その職務を行った、それだけだ」


「それでもあたしはあなたに助けられた。その事実は変わらないでしょ」


 ランが被っているフードを脱いだ。

 金髪に近い茶色の髪と年齢にしては幼い顔があらわになった。


「このペンダント覚えてる?小さい頃にあなたがくれたものだけど」


 ユーゴは彼女が取り出したペンダントを見て声を上げた。思い当たる節があったようだ。


「嘘だろ、これは……」


「小さい頃、あたしがオーディンに襲われた時にあなたは今と同じようにかばってくれたよね。その時泣き喚くことしかできなかったあたしに勇気を出せって言って助けてくれた」


「あんたはあの時の………!」


「思い出してくれた?昔はたまに遊んだよね」


「思い出した。同年代の子供がいなかったから二人で必然的によく一緒にいた記憶があるよ」


「ありがとう。まだあたしのこと覚えてくれてたんだ……」


 二人はそう言って抱き合った。


◇ ◇ ◇




 俺は集合シェルターの皆さんにオーディンを倒したということを報告していた。


「本当に、あのオーディンを倒してくれたんですか?」


「はい、間違いありません」


「よかった、これであの子も報われます………」


 息子を亡くしたという父親が泣き崩れる。俺はその人の背中を黙ってさすった。

 そうしているとマリアさんがマモルくんを連れてやってきた。


「Neoさん、まさか本当にあのオーディンを倒してくれるとは思っていませんでした」


「皆さんの人工蛍のおかげでもありますよ。あれがあったから夜の暗闇の中でも敵を視認することができました」


「あれぐらいしかわたしたちに出来ることはありませんでしたから。本当ならこの手で息の根を止めたかったのですが、そんな力はありませんものね。夫に逃げられ、息子も亡くしてしまって、わたしは本当に無力です」


「いえ、そんなことはありません」


 俺は彼女の手を強く握る。


「マリアさんはとてもお強い方だと思います」


「わたしが、ですか……?」


「はい、ランから聞きました。あのオーディンが夜にしか活動しないということが分かってからマリアさんが中心となって人工蛍を集めたということを。息子を亡くしてお辛い中、次につなげるための行動を出来る人はそうそういないと思います」


「そうですか……仇を討ってくださった軍人さんにそうやって励ましてもらえるなんてとても嬉しいですね」


 マリアさんは目尻の涙を指でぬぐった。


「Neoさん、あなたに渡したいものがあります」


「渡したいものですか?」


「はい、わたしの部屋まで来ていただけますか?」


「わかりました」


 俺はシェルターの皆さん全員と固く握手をしてから彼女の部屋に向かった。

 彼らから熱くお礼を言われてなんだか照れ臭くなった。


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