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32 オーティナティック実況(2)

ふと扉の方を見ると、背の高い青年がいた。

黒い髪を短く刈り上げている男性だ。軍服のようなものを着ている。

俺の枕元にも同じような服が置いてある。ここは軍事施設か何かなのだろうか。


そう言えば羽山が『第一作目のオーティナティックはオーディンに対抗する軍に主人公が所属して戦う物語』と言っていたな。



「おい、新人。いつまで寝ているつもりだ」


男性の声に反応して、俺はベットから降りる。


「あなたは……?」


「おれは対オーディン連合軍に所属しているものだ。お前から見ると先輩、つまり上官にあたる。さっさとベッドから降りろ。他の奴らはもう集合しているぞ。入隊初日から寝坊とは、いい度胸しているな」


「すみません」


「早くしろ、急げ」


 俺はベットから降りて、急いで軍服に着替えた。

指定された場所へと向かう。いったいこれから何が始まるのだろう。



 50人ほどの若者が集められているところに連れてこられた。

 その50人の前に1人のいかつい男性が立っている。色黒いの禿げ頭だ。顔には大きな傷跡がついている。


 俺が到着したしたことを確認すると、その禿げ頭は大きな声で演説を開始した。


「憎き人類の敵『オーディン』が地球に侵略して、すでに3年の月日が経った。人類の必死の抵抗も虚しく、世界は徐々にオーディンに破壊されている。そんな人類の最後の希望が我々、対オーディン連合軍だ」


 周りの若者たちがおう!と叫ぶ。


「貴様たちは今日からこの連合軍に所属する。限られたものしか扱えない、対オーディン兵器の適性が認められたからだ」


 禿げ頭が膝までの高さがある、金属でできた大きな靴のようなものを掲げる。

 装飾は殆どなく、機能重視なことが見て取れる。


 その靴とは別に、両手で抱えるほどの銃も取り出した。


「これらが対オーディン兵器のレールガンと戦術用スパイクだ。この戦術用スパイクを履けば、走るスピードが速くなり、ジャンプ力が飛躍的に向上し、壁や天井を歩くことができる。

そしてこのレールガンはエネルギーをためて発射することで、オーディンどもにダメージを与えることができる。しかしこのレールガンは有効射程範囲が狭いため、戦術用スパイクでオーディンに近づかなければならない」


 ある程度説明し終えた禿げ頭は、俺たちにその対オーディン兵器を配り始めた。


「これから貴様たちにこの対オーディン兵器を支給する。厳しい訓練を終えた貴様たちならばこれを使いこなせると確信している。自分たちが人類の希望であることを自覚し、憎きオーディンたちが2度と動くことができないように破壊し尽くせ!!!」


 周囲がおう!と叫び、拍手がなる。


 俺にも自分用の対オーディン兵器が配られた。自分の足に戦術用スパイクを装着し、両手でレールガンを抱える。

 これでこのオーティナティックの世界では、俺は人類の希望の兵士だ。


「訓練でこれらの使い方は把握しているだろうが、今一度確認しておく。そこの貴様、手本を見せてやれ」


 禿げ頭が俺に指をさして叫んだ。

 自分、この兵器の扱い方なんて一ミリも知らないんですけど。


 ヒントを求めて、俺はコメント欄に目を通す。


コメント:頑張れー

コメント:応援してます!

コメント:ちなみにここで禿げ頭教官にキスすれば、隠しエンドが見れるで


 ……最後のコメントが非常に気になるが、ここは余計なことはしないでおこう。


 俺はしぶしぶ前に出る。


「まずはレールガンからだ。エネルギーをためて、そこの的に発射しろ」


 指で示された方を見ると、ご丁寧に的が用意されていた。あれを壊せばいいのだろう。


 俺は両手で抱えている銃にエネルギーを溜めるようにイメージする。すると効果音と光とともに、本当にエネルギーが溜まり始めた。


「よし、それを思いっきり発射しろ」


 俺はよく狙って、そこにエネルギーを打ち込んだ。

 エネルギーは勢いよくレールガンから発射され、爆発とともに的をぶっ壊した。


「素晴らしい。次は戦術用スパイクだ。これを使って、天井に手が届くまでジャンプしてみろ」


 この部屋の天井は相当高い。ここに手が届くまでとなると、相当なジャンプ力が必要になる。


 俺はスパイクに意識を向けて、力をためる。よく見れば金属のシルバー色だったスパイクの一部が、黄色に光っている。正常に動作している証拠なのかもしれない。


 勢いをつけてジャンプすると、自分の思った以上に高く飛び上がることができた。

 俺は軽く感動する。


「最後に壁を登ってみろ。スパイクに故障がなければ問題なく登れるはずだ」


 俺はスパイクがさっきの着地で壊れていないか確認してから、壁に片足をつける。

 恐る恐るもう片足を地面から上げて壁につけると、体がぐるっと回った。


 視界が90度回転している。どうやら成功したみたいだ。

 俺はそのまま壁を歩く。走ったりしてみたが、落ちる様子はない。


「良き手本だった。戻っていいぞ」


 その言葉を聞いて、壁から降りて50人のいる集団に戻った。

 俺にまばらな拍手がおくられる。


 俺が戻ったことを確認すると、禿げた頭が注目!と叫んだ。

 大きな声が響き渡って50人が彼に注目する。


「明日から実戦に投入される。今日は各自、明日に向けて体を休めるように!!!」


 禿頭の号令を聞いて、周りも徐々に解散し始め、自分たちの部屋に戻っていった。



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