30 第19話:話題のゲーム、プレイしてみた
翌日、いつものようにスタジオに来た俺は配信の準備をしていた。
例のオーティナティックをプレイする予定だ。完全な初見プレイなので、上手くやれるかどうか心配だが、それよりも期待の方が大きい。
それにしても昨日の視聴者参加型のレースゲームは酷かった。視聴者参加型の企画はネオになってから初めてしたが、あそこまで妨害してくるとは思っていなかった。
配信に少しでも写りたいファンの方が、俺に害悪プレイばかりしてきたのだ。
俺のレースゲームの腕前は一般人とほぼ変わらないというのに妨害しやがって。
ただ何回もプレイするうちにコツを掴んで、配信の最後のほうでトップでゴールした。
その時は心の中でざまあねぇな!と叫んだ。もちろん口には出さなかったが、イキっているやつを負かす時ほど気持ちのいいものはない。………チビモン街角リーグの莉亜もそんな気持ちだったのかもしれない。
『これからオーティナティックをプレイするよ。重大発表もあるから見に来てね』
俺は配信の告知をVITに投稿する。
重大発表というのはもちろんAR大会のことだ。今日からAR大会3週間前なので、詳細な情報を公開してもいいらしい。
自分のチャンネルから配信開始を選択する。
「こんネオー、トッププレイ所属のNeoです。今日は第1作目の『オーティナティック』をプレイしていこうと思います」
コメント:オーティナティックってもう6,7年ぐらい前の作品じゃない?
コメント:Neoさんがオーティナティックをプレイしてくれるんですか?!すごい楽しみです(*^◯^*)
「わたしもプレイするのは初めてだから結構緊張するよ」
6年以上前のゲームに懐かしさを覚える人が多い。しかしその中でも、勘のいい人は3週間後のAR大会との関係性に気づいている。
「実はここで重大発表がありまーす」
昨日徹夜で作ったAR大会の宣伝画像を用意する。羽山に作ってもらおうかとも思ったが、忙しそうだから頼みづらかった。
「なんと、3週間後のAR大会で新作のオーティナティックが公開されることに決まりました!!」
コメント:マジ?!
コメント:それはアツい
コメント:最高やん
コメント:キタァーー☆*:.。. o(≧▽≦)o .。.:*☆
コメント:ゲーム買うお金がない………子供に給食我慢させようかな
ファンの方からの反応も上々だ。
「さらに公開と同時にオーティナティックのゲーム大会が開催されます。計8人の中でトップに輝いた人には、オーティナティックを制作しているファンタシーハードさんから特別限定商品が贈呈されます。今の時代を彩るストリーマーたち8人のアツいバトルを見逃すな!」
用意していた台本を読み上げて、俺は一息つく。
「という感じです。わたしもここに参加させてもらうことになりまして、練習のために第1作目からプレイしていこうかなって思ってるよ」
俺は早速VRゴーグルを装着して、オーティナティックにログインする。
プレイヤーネームはもちろんNeo。これで今日からオーティナティックの世界でも俺はNeoとして生きていく。
〈ログインが完了しました。それでは『オーティナティック』の世界をお楽しみください〉
視界が一度ブラックアウトしてからまた明るくなる。これから新しい世界が始まろうとしているこのドキドキ感は、何歳になってもテンションがあがる。
◇ ◇ ◇
「これで配信は終了です。ありがとうございましたー」
コメント:ありがとうございましたm(__)m
コメント:おつねお〜
コメント:バイバーイ
「ここまでお付き合いくださってありがとうございました。さようなら〜」
コメント:お疲れ様でした
コメント:今日も楽しかったよ!
オーティナティックをキリの良いところまでプレイして、配信を終了させた。
しっかりと接続が切れていることを確認して一息つく。
「ふぅ…………」
オーティナティックはなかなか面白いゲームだった。
大衆に評価されているということで、難易度はそこまでだと思っていたが、予想以上の鬼畜仕様で十分に楽しむことができた。
オーティナティックの操作はクセがなくて、すぐにマスターすることができた。
この調子ならオーティナティックⅣも1週間の練習期間で問題なくプレイできるだろう。
オーティナティックの詳細は次話で書きます




