12 第1話:参加してほしい人リスト
【stream社本部】
配信しながら一週間を過ごしたが、未だにネオが戻ってくる気配はない。
目の前に座っている羽山が深刻そうな顔でつぶやく。
「……本格的に一ヶ月後のAR大会について考えなければならない時期かもしれないな」
「そうですね」
「田辺さんにはそろそろ他のメンバーに声をかけて回って欲しい。こちらがまだ参加表明していないうちで参加して貰いたいストリーマーさんたちをピックアップしたものだ」
羽山がそう言ってメンバーの名前が書かれた一覧表を見せてきた。
【AR大会参加要請リスト】
エンターテイナー部門
・るぅ[るぅせんエブリデイ]
・せんや[るぅせんエブリデイ]
・マディオス[マディオスちゃんねる!]
ゲーマー部門
・HERO[REMIX GAN]
・Rain[REMIX GAN]
・UMA[REMIX GAN]
・GEN[コレクター]
アイドル部門
・春咲桃[桜浜46]
アーティスト部門
・よるねこ[KAGAM I]
・ライト[KAGAM I]
・eNM@[eNM@]
「この中でも最優先なのが『よるねこ』だ。うちのアーティスト部門で最も知名度の高い人物だ。彼を参加させることができれば、今回のAR大会も注目度が上がる」
『よるねこ』という名のアーティストのプロフィールに目を落とす。
性別男、顔立ちは中性的で銀髪だ。男のくせに新とはまた違う可愛らしさがある。なんというか儚げだ。
「『男性とは思えないほどの高音が特徴的で、多くの女性ファンを魅了する』なるほど、彼以外には声をかけなくても大丈夫なのですか?」
「問題ない。彼のチームメンバーのライトさんは『よるねこが行くなら俺も行く』というようなタイプだ。よるねこさんさえ参加させることができればよい」
もう一度プロフィールに目を落とす。
よるねこの所属はアーティスト部門の『KAGAMI』となっている。
stream社に所属しているストリーマーたちは大きく四つに分けることができる。
プロゲーマーと渡り合うぐらいのゲームの腕前が求められ、ゲーム実況などの配信活動をしながら大会などに出場するゲーマー部門。
企画や日常、検証などを配信を通じて視聴者に「楽しさ」を届けるエンターテイナー部門。
ライブなどを行い、歌って踊るアイドル部門。
作曲家や歌手などが集まるアーティスト部門の四つだ。
さらにここから部門ごとに4、5人のチームに分けることができる。ちなみにネオはゲーマー部門の『トッププレイ』というチームに所属している。
KAGAM Iは所属メンバーがライトとよるねこの2人しかいないようだ。
「2人だけのチームなんて珍しいですね。単独で活動している人ならアーティストには結構居るらしいですが、2人で活動しているというのはあまり聞いたことがないです」
「たしかにその通りだな」
羽山がサイバー都市のマップを転送してきた。
よるねこさんが普段使っているスタジオにマーキングしてある。
「田辺さんは今からここへ向かってほしい。よるねこさんは今日ここで収録を行う予定だ。その合間を縫って時間を作ってもらった」
「了解です」
俺は以前よりも少し前向きな気持ちで答えた。
このリストにいる人たちは多分いつか登場します。




