第14話「記憶」
爆発音の正体それは日本への応援に来ていた各国の空軍の戦闘機が日本国内に入った瞬間何かそこに見えない壁でもあるかの様に衝突し墜ちていった
「こ、これは一体どういう事なのでしょう…」
テレビの男は唖然としていた
すると爆煙の中から一つの人影が現れた
爆煙が晴れるとそこには全身を黒い甲冑で覆った怪しい人が空に浮いていた
すると一瞬にして姿を消した
「先ほどの人影は気のせいだったのでしょうか…?」
そう言い終わった次の瞬間、黒い甲冑は中継しているカメラの前に急に現れた
「我は魔王、来るべき13月1日にこの世を終わらせる者、この国を我が力で完全鎖国した、それによってこの国から出る事も入る事も出来ないので悪しからず」
黒い甲冑は少しノイズがかった声で淡々と言った
「一体なんなのでしょう…突然現れたこの男は先ほどの各国の戦闘機の墜落を自ら行ったと自白いたしました!」
「しかし、この世に生ける者にもチャンスを与えよう。一月に一度、我の忠実な王を消し去り最後に我を消す事が出来ればこの悪しき世界の消滅は見送ろう」
「我が国の誇る自衛隊頼む!そいつを捕まえてくれ!!」
その男の命令に自衛隊は動き出した
「そこのお前!動くな!!」
自衛隊はそこの男に向かって銃口を向けたが怯まず近づいて来るのだった
「我々の要求に答えない限り、三秒後に発砲する」
気にせず歩き続ける
「カウント~!!始めー!!3!2!1!撃て!!」
「隊長!全弾命中してますが全ての弾がすり抜けています!」
「まるで何も無い場所に撃ってるみたいだ」
「あれ?何か光って…」
「がはっ」
「大丈夫か!?」
突然一人の兵隊が血反吐を吐いた
「死んでる…」
「隊長!奴の黒兜の仮面から少し見える眼が紅く美しい耀きが…」
(さっきの奴も確かそんな事を…)
「おい!何かおかしいぞ!奴と目を合わせるな!!」
「隊長…遅かったみたいで…す…」
そう言ってまた兵隊が一人血を吐いて倒れていった
「総員!構わない!!撤退!!」
「賢明な判断だ、今は見逃そう、しかし世界滅亡が迫っている今、逃げ場など存在しない」
そして黒い甲冑の男はカメラに向かって一言言うのだった
「手始めにゴーレムの王を置いていく、そいつをどうにかしてみるんだな」
「ゴーレム王だと?」
「な、何なんだ」
急にテレビの偉そうな男の近くに綺麗な顔立ちの男が現れた
「ここはどうしてこんなに年寄りが多いんだ?」
そんな中、一人の年老いた女性が近づいてきた
「あら、あなたとても綺麗な顔立ちね、私がもう少し若かったらあなたとお近づきになったのね」
「若い事はいいじゃないんだ…」
「えっ!?」
「若さを羨む年寄りなんて消えればいいんだ!!」
急に怒り出した男はそう言うなり年老いた女性の胸を殴った
その拳は一撃でその女性の左の胸を貫いた
「うわぁっ!助けてくれ~!」
その光景を目の当たりにした年寄りたちはぞろぞろと逃げ出して行った