生活拠点
「……どうしよう」
まず、転生したことを認める。
この姿じゃ認めるしかないし……
次に、服をもっとあさる。
出てきたのは鏡のほかに、手帳のようなものと何かの本。
それに、鍵の形をしたネックレスと金貨が数枚入っていた。
まず、手帳から確認してみる。
でも、何も書かれてはいなかった。
次に本を読んでみる。
本にはこの状況を説明する文と、生き抜くために必要なことが書かれていた。
「えー何々?『あなたは転生しました』これはわかってるわね。えーと……」
要約すると、
・この世界には剣と魔法が存在している。
・私はこの世界で自由に生きていい。
子供の年齢から過ごすことで、成長がしやすくなるからこの格好らしい。
・剣と魔法は必ず習得しておくこと。
習得していないと生きることは出来ないらしい。
大事なのはこのくらいかな。
あとは、剣や魔法の練習方法やどこに家を建てたりすればいいのかなどが載っていた。
「まずは、家を確保しなきゃだよね」
私は本に書いてある地図に沿って歩き始める。
「しっかし、本当に木しかないところだなー」
森の奥だってことは分かるんだけど……
変わらない景色に飽き飽きしながら、私は歩き続ける。
そして、目的の場所にたどり着いた。
「……うそ」
目に入った景色に唖然とした。
そこは森のど真ん中だった。
でも、そこだけ別の空間のように美しい景色が広がっていた。
何百メートルもあるような崖。
そこに吸い込まれるように流れていく虹のかかった滝。
木々がないことで目に入ってくる雲一つない空。
周りに咲いている色とりどりのきれいな花。
日本……ううん、外国でも見られないほどの絶景だ。
「こんな所に……住むの?」