表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/9

01:どんな時でも物語は突然だ

「はい。じゃぁ、こちらにお掛けください」

「いや、あの……何か勘違いされてませんか?」

「まさかー。コチラで合ってますよ。ちゃーんと、正解でーす」

「じゃなくて、そっちが間違って―――」


大きな電話のベルが鳴る。


「あっ。ゴメンナサイね。電話―――ちょっと、失礼しまーす。―――あ、はい。もしもし、花沢です―――」


そう言うと、目の前の女性は、電話をしながら、入口の方へ移動していった。


しかし、突然なんなのだろうか。

初めての渋谷、ちょっとした予定があり、少し道に迷ってスマホを見ていたら、

いきなり、女性に腕を掴まれ『お待ちしてましたー』とだけ告げられると、そのまま強引な状態で、ここに連れ込まれてしまった。


今思えば、腕を振り払うのは簡単だ。

そう!簡単ではあった!……だがな、黒髪ロングの、色白のお嬢様な雰囲気……。

めっちゃタイプ。

タイプ過ぎて『都会って夢あるなー』って、ついつい、ここまで来てしまった。


……ここは何処なんだろ?

何か変な機械が、いろんな所にあって、アニメとか特撮とかで見たことある様な雰囲気だ。

中央には大きなモニター、その手前には大きな円卓がある。

そこには、3人が座っている。


一人は眼鏡の男性……くせ毛なのか寝ぐせなのか、わからん髪型だ。

もう一人は、茶髪にピアスの男性……首からは何かアクセサリーがジャラジャラしてる……チャラいんだと思う。

三人目は、魔法少女だな……あれは、あんなキラキラでヒラヒラした服装、カラフルな髪の毛……魔法少女だ。


ここは、何だろ?

とりあえず、声をかけてみるか。


「あの……すみません」


―――全然無反応だった。

この人たちは、三人グループなのかな?

それとも、それぞれでお店に来た人たちなのだろうか……。

そんな事を思いながら、また声をかけてみる。


「みなさん。すみません!」


すると、寝ぐせ眼鏡の男性が返事をする。


「えっ?あ……」

「あの。ここって何です?」

「え?何です……って?あぁ。ここ?『指令室』っす」

「しっ!指令室!?えっ!?なんの?」

「『地球防衛軍』のっす。―――って、ん?あれ?知らないっすか?」

「はい」


僕の返事に、魔法少女は机を叩いて勢いよく立ち上がる。

その勢いで、椅子は盛大に後ろに倒れる。


「うっそ!?知らないで来たの!?」

「はい。あの人。その、さっきの女の人に突然『お待ちしてました~』って、連れてこられました」


俺の言葉を聞くと、魔法少女と寝ぐせ眼鏡が暫く顔を見合わせ、やがて、茶髪男子の方を向くと、大きくため息をつき一言呟く。


「はぁ。マジかよ……。アイツ、そーゆーとこあるからなぁ」


茶髪男子が明らかに呆れた顔して、天井を見上げた。

本当に、ここは、何なのだろうか?


つづく


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ