004
「アロエはなぜこんな森の中にいたんだい?」
冷静に考えるとこんな森深くに女の子がいるなんて不自然だ。
「私はゴブリンを倒すためにこの森にやってきました」
「ゴブリンを倒すため?」
「冒険者になるためには『試験』に合格する必要があるんです。その試験とは、ゴブリンをすることです」
大変だなぁ。
「アロエはこれからゴブリン退治に行くんだろ? もしよかったら俺もついていっていいか?」
「私は構いませんけど……」
「アロエ一人だけを危険な目に合わせるわけにはいかないよ」
「あ、ありがとうございます!アキトさんがついて来てくださるととても心強いです!」
俺はエミリアに怪我をしてほしくなかった。そして俺たちは、森の奥へと向かう。
エミリアと一緒に歩いていると、スライムが現れた。
「アキトさん。ここは私に任せてもらっていいですか?」
「別にかまわないが、大丈夫なのか?」
「はい、先ほどは不覚をとってピンチに陥りましたが、スライムくらいなら大丈夫です。」
「がんばれ、アロエ。応援しているぞ」
「はい。アキトさんの一番になれるように頑張ります」
アロエは前に出てスライムと対峙する。
「tgmd@u#m@dg't@m@d@j#t@w@n@w@mgd'g'gmd#d@'@.@m@d'gtgm@j@'@'gjg'@'mgmg'gw@jg'gn@t@'wgdtg'@y@mg'gvm#t'gmh'gd#t'gmpagt@m@d'pwgdai@tgygmj」
えっ、えっ?
アロエはものすごい早口で何かを唱えている。いきなりすぎて結構びっくりした。
おそらく、あれは魔法の呪文だろう。
「『ファイアーボール』!!」
エミリアの杖から巨大炎弾が発射された。
生まれて初めて魔法を見た。
とても迫力がある。
スライムにクリンヒットする。
スライムを倒した。
「やりました!!」
「おめでとうアロエ。えーっと、今のは……」
「ファイアーボールです。私は魔法が得意なんですよ」
「へえ、アロエはすごいんだな」
「えへへ、ありがとうございます。その一言だけで自信が湧いてきます」
俺達はさらに森を進んでいく。
次第に日も暮れてきた。
今日はこの辺で野宿をしよう。
「アキトさん。野宿のやり方は大丈夫ですか? よかったら私が教えましょうか?」
「助かる」
アロエに野宿のイロハを教えてもらった。
普通の高校生である俺に野宿の経験はない。
「『ファイアーボール』!」
今度は火魔法。
アロエは薪を集めて、火魔法で焚き火を作る。
火魔法は本当に便利だなぁ。
そういえば、メリッサ様から貰ったチートの存在を忘れていた。
たしか創造だったかな?
「ステータスオープン」
【名前】 アキト
【種族】 人間
【年齢】 16歳
【職業】 無職
【レベル】 3
【性別】 男
【称号】
【生命力】102
【魔力】28
【攻撃力】32
【防御力】35
【素早さ】31
【スキル】
女神の加護
創造
いつもお読みいただきありがとうございます。