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魔人になった2人の少女

「なら私達を殺して」


俺は自分の耳を疑った。

助けてでも、救ってでもなく殺して。


「なっ!そんな事出来るわけないだろ!」

「さっきなんでも言うこと聞くって言ったでしょ」

「なら私達を殺してください」

「だから出来ないって」

「殺してよ!」

「っ!」

「私もエリザベスもこんな姿になって、国にも帰れなくて、親にも友達にも会えなくて、いつ殺されるか分からない恐怖の中で生きる事に意味があるの?教えてよ、教えてよ!」

「私もエリカさんも死にたいんです。親にも友人にも会えなくなるのは悲しいですがそれよりも、私達の姿を怖がられるのが一番嫌なんです。お父さんに、お母さんに、何より自分が好きになった人にそんな風に見られるのが一番怖い。だから私達を殺してください。お願いします」

「っ!それでも…」


(全知、2人を戻せないのか?)

(不可能です)

(時間を戻したりしてもか?)

(不可能です。時間を戻すというのはそれがあるべき時へ戻るということ、2人はもう完全に魔人になってしまっているため不可能です)

(そうだ!別の次元から2人の肉体を持ってきて魂魄魔法を使えば)

(それも出来ません。魂魄、魂は魔力により色、形などの姿を持っています。ですが魔人化した事により魔力が変化しているのでそれにより魂の形も変化していると考えられます)

(魔力を戻すことは出来ないのか?)

(私達一介の神では不可能です。魔力は本来不変のもの、ですが魔人化という一種の進化によって変化する事が出来ました。それを戻す事はそれこそ全ての世界が当てはまる『世界システム』これを変える事の出来る程の力が必要です。しかしそのような力は全ての神の生みの親、神王でも不可能です)

(そんな、それじゃあ2人はもうずっとこのままなのか?)

(マスターの近くにいる場合は暗黒属性魔法の『偽装』で姿を偽れますがそれでも制限をかけている場合は一国の広さが限界です。これでは根本の解決にはなりません)


完全に詰んだ。

2人を助ける事は出来ない。

どんな特異魔法もスキルも今は役に立たない。


「2人は死ぬことが怖くないのか?」

「怖いわよ、でもみんなにこの姿を見られるのが怖い。嫌われるのが怖い」

「畏怖の目で見られるのが怖い、死ねと言われるのが、殺されるのが怖い。だからミロクさんに、私達が心を許せる人に殺されたいんです」

「誰も怖がらないかもしれない、みんなが2人を助けてくれるかもしれない、治す方法が見つかるかもしれない、それでも死ぬのか?」

「怖がらないわけないじゃない」

「助けてくれる訳ないじゃないですか」

「そんなの「分かってるわよ!」っ!」

「誰が今のこの姿を見て怖がらない訳?嫌わない訳?そんな人いる訳がないじゃない!」

「俺がいる!」

「「っ!」」

「2人を見ても怖がらない。今でも助けたいと思ってる。そして助けるために色々考えている。アイシア達だってそうだ、2人を怖がる訳がない!絶対に2人を助けてくれる!2人は、エリカは、エリザベスは俺の、俺達の大切な人だ!もし2人が狙われるなら命を賭けて守ってやる。2人が助かるならどんなことだったやってやる。だから殺してくれなんて、死にたいなんて言うな!」

「………それがこの世界を敵に回すものだったら?」

「この世界が敵?そんなの俺は産まれた時からだ。今だから教えるよ、俺は邪神の転生者なんだよ、記憶はないが邪神の力を持っている。バレたらいつ殺されるか分からない。俺の周りにいるアイシア達もそうだ、それでも一緒に居てくれる。なら俺は世界が敵になっても、味方が居なくなっても2人を守るよ。俺だけじゃ不安ならアイシアもいる、サラも、ミリアもセリナもイヴもみんないる。だから一緒に生きよう」

「生きててもいいんですか?人じゃなくなり、姿形は完全に敵のもの、それでも」

「当たり前だ。2人がいい奴だって事はみんな知ってる。生きててもいい?この世界で死んでもいい奴なんてのは最初からいない。その後の行いで死ぬべき奴はいるが2人は生きるべき人間だ。それは神である俺が保証する」

「守ってくれるの?」

「当たり前だ」

「信じていいんですか?」

「ああ、もし俺が信じられないならアイシア達を信じろ、あいつらも2人を守ってくれるさ」

「私達と一緒に居てくれるの?」

「それこそ今更だ、もし戻る方法が無かったら俺が一生一緒に居てやる。まぁ嫌ならいいが」

「ううん、もし戻る事が出来ても一緒にいてくれる?」

「ああ、ん?」

「分かった。なら私はミロクと一緒に生きるよ」

「私もミロクさんと共に生きます」

「そうか、良かった。じゃあみんなの所に行こう」

「うん…」

「分かりました…」

「怖いなら俺の後ろにいろ、あいつらは2人の事を受け入れてくれるから安心しろ」


2人は小さく頷きフードを1度被り直し俺の後ろを付いてきた。

ここで言っていた別の次元というのは物質のみが存在し魂の存在しない世界。

簡単に言えば自分と同じ見た目おもちゃが存在している世界です。

その世界では見た目の変化は成長以外存在せず進化や変身といった概念は存在していません。


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