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魔帝との話

 あの演説の後、魔帝が目を覚ましたとサラから念話で連絡があった。



「お父さん!」

「おお、イヴ」

「こんにちは魔帝様」

「ん?君はあの時の護衛か?」

「はい。今日あった事を覚えていますか?」

「いや、薄っすらとしか覚えていない。何故だかここ最近の記憶が曖昧なんだ。なんだか自分じゃない気がしてならない。だが今はそんな感覚がない。君は何か知っているか?」

「はい、恐らく魔帝様は精神属性魔法をかけられていたのだと思います。そして今日身体に大きなダメージを受けた際にそれが解けたのかと」

「そうか…。それで公爵はどうなった?」

「覚えてるんですね」

「ああ、少しだけだがな。それで公爵は?」

「公爵は今回の事を後悔していますよ。今もずっと国民の前で正座をしています」

「正座を?」

「正座を」

「そ、そうか。イヴは大丈夫だったか?」

「はい、私は大丈夫です」

「そうか。すまなかった、お前やアダム、そしてその友人達にも迷惑をかけてしまった。これも俺の精神が強くなかったからだ」

(確かに精神が強ければ強いほど精神属性魔法の耐性は上がる、だが)

「いいえ、魔帝様は悪くありません。悪いのは魔王です」

「しかし」

「やっぱりイヴと親子ですよね、同じ事をさっき俺に言って来たんですよ。その時も言いましたが今回の事は全て魔王が悪いんです」

「そうか…、ならばそう思う事にしよう」

「それでいいんです。まだ治ったばかりですから休んでください」

「だが私は国民に人族は悪くないと説得しなければならない仕事が残っている」

「あー、それならもう終わってます。この国の国民は人族と協力して魔王を倒す気になっていますよ」

「なに!本当か?」

「はい、イリアが言ってくれましたから」

「イリア?ま、まさかイリア様か?」

「そうですよ」

「し、知り合いなのか?」

「はい。一応婚約者ですね」

「そ、そうか」

「あと、これも言わなければならないんですけど…」

「なんだ?」

「えっと…。ふー、イヴさんを僕にください!」

「は?ど、どういう事だ?イヴ?」

「実は…」


そして俺とイヴはこれまでの経緯を説明した。


「そんな事があったのか、分かった、二人の関係を認めよう。そして魔帝はアダムにやらせよう」

「え?そんなに簡単に決めていいんですか?」

「簡単だと?可愛い娘を男にやるのが簡単な訳あるか!」

「すいません!」

「だがそれでもイヴが選んだ相手だ、私はそれを信じる。それより魔人はもう襲ってこないのか?」

「それは、恐らくこないと思います。去り際に魔人が魔族と人族の戦争を起こすと言っていました。そしてこの国での仕事は終わった。だからこれ以上この国には何もしないと思います」

「そうか。私は少しこれからの人族との関係を考えたい、少し一人にしてくれ」

「分かりました。行こうサラ、イヴ」

「はい」

「うん…。(私空気になってたわよね)」



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