王位継承の襲撃後
「とりあえずこの部屋に魔帝は寝かせておこう。サラ魔帝を見ていてくれ」
「分かったわ。二人は?」
「俺とイヴはみんなの方を見てくる」
「分かったわ。魔帝が目を覚ましたら教えに行くよ」
「分かった、行こうイヴ」
「うん…」
俺とイヴは一緒に広間に向かっていた。
「さっきからずっと下を向いてるけどまだ気にしてるのか?」
「え?う、うん」
「さっきも言ったけどイヴは悪くないよ」
「ううん、そんな事ありません。私が悪いと思っている人はこの国に何人もいます。私がこんな力を持っていたから魔人がここに目を向けたかもしれません」
「それでも俺はイヴは悪くないと思ってる、悪いのは全部魔王だ。そしてそれを止められなかった俺が悪いんだ」
「それは違う!」
「いいや違わないよ、俺には力がある。けどいつも何かが起こってからしか行動できない。だから俺が悪いよ」
「そんな事は…」
「もしまだ自分が悪いと思うなら俺にもその重荷を背負わせてくれ」
「え?」
「俺達は婚約者だろ?1人で背負わせたりはしない、俺は、俺達はいつまでもイヴの味方だから頼ってくれよ」
「はい…。頼りにしてます」
「それでよし。さぁみんなの所に急ごう」
「はい!」
広間に着くと皆が魔族に囲まれていた。
「何があったんだ?」
「急ぎましょう」
「そうだな」
俺とイヴは魔族を避けて皆の所に行った。
「何があったんだ?」
「それが…」
「お前たちもあの人間の仲間だろ!」「よくも魔帝様を」「魔人の仲間め!」「殺してやる」「やっぱり人族は滅ぼすべきだ!」
そんな声が至る所から聞こえて来る。
「俺も色々言ったがダメだった」
「いや、アダムは悪くない。どうしたものか」
「私に任せなさい」
「イリア?」
「私はこの国では偉いって言ったでしょ。だから任せなさい」
「分かった、頼むよ」
「後でご褒美頂戴ね」
「分かったよ」
「聴きなさい!魔族達よ!私は神級悪魔のイリアよ」
「イ、イリア様!」「な、なんでイリア様が」「そんなの人族を倒すためだろ」「きっとそうだ」
「言っておくけど人族のことは倒さないわよ」
『え?』
「今回の件は人族は悪くないからね、悪いのは魔人だもの。それに魔帝を助けたのもそこにいる人族よ」
『え?』
「確かにこれまでの歴史で人族が嫌いになるのは分かるわ、でもね今はそんな事を言っている場合じゃないの。魔王が復活して、たくさんの国がその被害にあっている。それは人族の国も同じ。今こそ団結の時じゃないの?いつまでいがみ合っているつもり?いい加減歩み寄ろうとしなさいよ、この世界にあるすべての国が1つになればどんな脅威にも立ち向かえるわ、必ず。もう一度言う、いい加減に歩み寄りなさい。今回はその架け橋になってくれるだろう人もいるわ」
(そこで俺を見るのか、まぁいざって時はやるけど)
「後はあなた達が決める事、でも今言ったことは忘れないでね」
「歩み寄るか…」「これまでの歴史で人族が嫌いだけど、これまでの歴史の中には一緒に戦った事もある」「魔王を共に倒す、いいかも」「イリア様からも言われたんだ」「魔人に魔帝様の借りを返しましょう!」「そうだな」
(イリアの演説でみんな歩み寄ろうとしてる)
「こんな感じでいい?」
「ああ、完璧だよ」
「じゃあご褒美を頂戴」
「何がいいんだ?」
「キスして」
「え?」
「だーかーらーキスして」
「分かったよ」
そして俺達は唇を交わした。
たくさんの人に見られながら。




