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王位継承

少し更新が遅れる事があります。

「これより王位継承の儀を始める」


王城の広間で魔帝が宣言した。

周りには沢山の貴族に国民、そして俺たちがいる。

この国の国民は魔帝を慕っているらしく皆が歓声をあげていた。


「ではこれから新しく魔帝になる我が娘イヴを紹介しよう。イヴ来なさい」

「はい…」

「何を浮かない顔をしているんだ?私の娘が魔帝になるんだ、これほど嬉しい事は無い。だからお前も笑いなさい」

「はい…」

(どうしてこんな時に昔の優しかった頃のお父さんの顔をするの?)


「それでは魔帝刻印の授与に移ります。

現魔帝イシュカ様は術式に乗ってください」


魔帝はその声に従い術式に乗り、イヴはその近くに立った。

すると空中に刻印が浮かび上がった。


「これで現魔帝は魔帝では無くなりました」


バン!


その言葉と同時に広間の灯りが全て消えた。


「な、なんだ!」「なに?」「なんだよ!」「なにが?」

国民や貴族も何か分からずに怯えていた。


「ミーくんなにが?」

「俺にもわからない」


「ぐあぁぁぁ」


「っ!この声は魔帝か!」


バン!


灯りが付くとそこには人族に胸を貫かれた魔帝とその側にいる魔人カリーナ、そしてその場で座り込んでいるイヴの姿があった。


魔帝を刺した人間は剣を引き抜き魔人の側に立った。


「おい!話が違うぞ!私が失敗するまでこの国には何もしないはずだろ!」

公爵が魔人に話しかけた。

だが声が小さく聞こえなかったから俺は「聴覚強化」を使い、魔帝の体に回復魔法をかけた。


「話が違う?もともと私はあなたを信用してないわよ、それに魔族と魔人を同盟関係にするなんてそんなことあるわけないでしょ」

「な!だがお前達もイヴの力を望んでいただろう!それでこんな作戦を立てたんだ!」

「最高の種族である魔人が魔族と同盟?そんな馬鹿な話は無いわよ。イヴっ子の力も魔王様はいらないみたいだし。それに私はあなたの作戦の回りくどさにうんざりしてたの」

「回りくどい?」

「この魔帝は国民に慕われていたんでしょう、ならその魔帝が人族に殺されたなら魔族はどうする?」

「まさか!」

「そう、これで魔族と人族の仲は更に悪くなる。もしかしたら戦争が本当に起こるかもしれない、まぁ魔王様にとってはあまり関係のない事だけどね」

「貴様!」

「うふふ、これで私の仕事は終わり。いい実験台も手に入ったし。じゃあ短い間だったけどさようなら」


そして魔人は人間と共に消えた。



俺が周りを見ると魔族の人が魔帝を見ながら絶句していた。


「だ、誰が魔帝様を…」「さっきあそこにいた人族だろ」「人族はまた私達を敵にするのか」「やはり人族は滅ぼすべきだ!」

そんな声が至る所から聞こえて来た。


「不味いな」

「お、お父さん!」

イヴが魔帝イシュカに近づいた。


「お父さん!お父さん!」

「イヴ、お父さんは大丈夫だよ」

俺はイヴに近づきながら言った。


「え?」

イヴが魔帝の体を見ると傷は全ての塞がっていた。

「あ、あれ?傷が」

「俺が回復魔法で治したからな」

「よ、良かった」

「いや、このままじゃ戦争がおこるぞ」

「どうしよう。これも私がいたから」

「そうじゃない、悪いのは魔王だよ」

「でも!」

「イヴは悪くない。誰か!魔帝を運ぶのを手伝ってくれ!」

「私が手伝うよ」

「ありがとうサラ、他のみんなはここに来てる人を落ち着かせてくれ」

『分かった』


そして俺とイヴ、サラは魔帝を別の部屋に連れて行った。


その間も魔帝の刻印は空中に浮かんでいた。

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