ミーファさんとの関係
あの日から2日が経った。
この2日間はソーラの事やミーファさん、キアラの事で王城に行き続けていたから今日は久しぶりのフリーの日だ。
「はぁ、この2日でかなり疲れた」
「ねぇミロクくん」
「ん?どうしたんですかミーファさん?」
そうミーファさんは俺たちと同じ宿屋に泊まっている、部屋は違うぞ!
「今日私と2人で街をまわってくれない?」
「いいですけど、大丈夫ですか?」
「大丈夫。みんなが前に進み出したから私もがんばるわ」
「そうですか、なら行きますか」
「うん、下で待ってるね」
「はい、すぐ行きます」
ミーファさんは部屋を出た。
その後すぐに俺も部屋を出た。
「ねぇセリナ」
「何アイシア」
「あれって絶対あれだよね」
「間違いなくあれね。昨日確かに許可したけどその次の日に」
「はぁ、また増えるの」
「でもそれは仕方ないよ、ミロクくんカッコいいから」
「そうだけど、サラはそれでいいの」
「私は一緒に入れるだけで」
「大人だねぇ、でもそうだね、私も一緒に入れればいいかな」
「はぁ、王国に帰った時に何人に増えてるかな」
「さぁ?でもそれだけミロクがかっこいいって事でしょ、私達はそれを誇らなきゃ」
「たしかに、でもあんまり増やしすぎないで欲しいなぁ」
『たしかに』
この日部屋でこんな話があっていた事をミロクが知るよしがない。
「じゃあ行きますかミーファさん」
「うん!」
「なんだかすごく元気ですね」
「だってこうして2人で出かけるの久しぶりだからね」
「確かにそうですね、2人でなんて家庭教師の時以来ですね」
「そうでしょ、その間にミロクくんは婚約者あんなに作ってるし」
ジト目で言われた。
「い、いや、はい、すいません」
「別に謝らなくても良いわよ。それで聞きたいんだけどなんで王国を出たの?」
「それは、俺が教国に異端者認定されたからです」
「え!教国に!」
「はい、それで迷惑がかからないようにアイシアとサラ、ミリアも一緒に王国には戻りませんでした」
「そうなんだ」
「そうですよ、でもアイシアは王女だから色々問題になってそうなんですよね」
「えっ!アイシアって王女なの!」
「そうですよ」
「私敬語じゃなかったけど大丈夫かな」
「アイシアはそういうのは気にしませんよ」
「そう。あっ、そろそろ着くわね」
「そういえばどこに向かってたんですか?」
「この国で1番のレストランよ」
「へぇー、それは楽しみですね」
「そうよね、それより別に私には敬語じゃなくても良いわよ」
「え!で、でも、」
「なら元家庭教師として言うわ、敬語禁止ね」
「えっ、分かりまs」
「敬語!」
「わ、分かったよ」
「うんうん、それで良し。これで少しは距離縮まったかな」
「ん?何か言いましたか?」
「ううん、別に何も言ってないよ、あっ、着いたよ」
「ここがグラス王国一のレストランか」
「ほら、入るわよ」
「そうですね」
「敬語」
「そうだね」
「それでよし、じゃあ入ろっか」
「うん」
「いらっしゃいませ。何名様ですか?」
「2人よ」
「2名様ですね、こちらへどうぞ」
「ありがとう」
「ありがとうございます」
「では注文が決まり次第お呼びください」
そしてウエイトレスは帰って行った。
「ここは俺やミーファさんを見ても何も言わないね」
「いや、多分裏で言ってるのよ。ほら、覗いてきた」
そう言って見た方向に視線を向けるとコックとウエイターとウエイトレスがこちらを見ていた。
「なんだか落ち着かないね」
「確かにね…。ごめんね私なんかにつき合わせちゃって」
「そんな事ないよ、俺も久しぶりにゆっくり話せて嬉しいから」
「そう、なら良かったわ。私も話せて嬉しいわよ」
そう満面の笑みで言ってきた。
俺は見惚れてしまった。
「どうしたの?」
「ううん、なんでもない。それより注文決めようか」
「そうだね」
話題をそらすことができた。周りを見ると俺以外にも見惚れた人が居たみたいだ。
「どうしようミロクくん」
「どうしたの?」
「この2つのどっちにすべきか決められない」
「カルボナーラとナポリタンか」
(なんで地球と同じメニューがあるんだろう?)
「こっちのクリーミーなパスタも食べたいけど王道のナポリタンも捨てがたい」
「じゃあ2つとも頼んで半分ずつにする?」
「あ!それ良いわね、でもいいの?」
「俺も食べてみたいから良いよ」
「分かったわ、注文お願いします」
「はい、ご注文は?」
「ナポリタンとカルボナーラをください」
「かしこまりました。少々お待ちください」
「お待たせしました、こちらカルボナーラとナポリタンです」
「美味しそー」
「そうだね」
「じゃあ食べようか」
「そうだね」
「「いただきます」」
「んー、美味しい!」
「うまい!」
「でしょここの料理は美味しいの、私のナポリタン食べてみて」
「じゃあ俺のカルボナーラもどうぞ」
「んー、こっちも美味しい!」
「ナポリタンもうまいな」
この後も1時間程この店でゆっくりした。
「ミロクくん今から良いところに連れて行ってあげるわよ」
「良いところ?」
「付いてきて」
30分程歩いた。
「ここは、」
「そう、ここは世界樹だよ」
俺たちの目の前にはてっぺんが見えないほど高く大きい木がある。
「これが…。近づいてみるとすごいな」
「でしょ、私もこの国に来た時は毎回来てたのよ。それでこの景色が好きで私もこの国が好きになった。でもこの国は私のことが嫌いだったみたいで…」
「ミーファさん…」
ミーファさんは目に涙を溜め、流さないように耐えようとしていたが涙はその頰を流れた。
「いままで仲良くしていた友人や知人も私の事を王女と知るとこれまでの事が嘘みたいに対応が変わってしまった。
この国の人が前に進み出しても私は前に進めない。私はこの国に嫌われてる、それは今も変わらない。でも私はこの国が好き。だから私はこの国に嫌われたくない、でもこの国はそれを望んではいない。
ねぇミロクくん、私はどうすればいいの?やっぱり居ない方が…」
「そんなことはない!」
「え?」
「ミーファさんが居ない方がいい?そんなことあるわけないだろ!俺はミーファさんと居るのが好きだし話すのも楽しい、他にも数え切れない程の良いことがある、だから居ない方がなんて言わないでくれ」
「で、でも」
「これ以上言うなら俺は力尽くでもミーファさんを捕まえてでも一生、居なくなるなんてさせない」
「なんでそんなに私の為に?」
「そんなの俺がミーファさんと居るのが好きだからに決まってるでしょ、簡単に言えば我儘ですよ」
「そう。ねぇ、さっきの言葉信じても良い」
「はい」
「なら私が居なくならないように一生私の横で私の手を握って捕まえててね」
「はい、もちろん。ん?それって?」
「私はミロクくんが好き。私の為に怒ってくれるミロクくんが、私を守ってくれるミロクくんが、私の事を見てくれているミロクくんが大好き。だから私も婚約者にして」
「え、で、でも」
「安心して他の婚約者の人達には許可をもらった」
「え!?いつの間に。でもそれなら俺が断る理由はないですよ、俺もミーファさんの事は好きですから」
「ほんと?」
「当たり前ですよ、それとみんなにも言ってるけど俺の婚約者になるなら一生俺から離れないでくれ」
「それこそ当たり前」
「そうか、じゃあ今日から改めてよろしくお願いします」
「よろしくね、ミロクくん」
この後も世界樹の下で話して俺たちの距離がかなり縮まった。
どれほどの時間話していただろうか、もう陽が落ちかけている。
「そろそろ帰るか」
「そうだね」
俺とミーファさんが宿屋に向かって歩いていると目の前から沢山の人が歩いて来た。
「なんだろうねミーファさん?」
「私も分かんない」
するとその人だかりは俺たちの目の前で止まり俺たちに頭を下げた。
「すまなかった!」
「え?」
「この前、王に言われて考えたんだが俺達はどこに向けたら良いのかわからない怒りを王族にぶつけていた。それで君には苦しい思いをさせてしまった。本当に申し訳なかった!」
「え?あ、あの」
「ごめんねミーファちゃん、私はあなたの友達で一緒にいたのにあなたが王女って知って私あなたを避けるようになって、でも!それでも、私はやっぱりミーファちゃんと友達でいたい。だからごめんなさい」
「え、えっと」
「私も悪かったね、あんたが悪くないのは分かってたのに、こんな事をしてしまって、1人にしてしまって、本当にごめんね」
「え、あ、あの、どうしようミロクくん」
「ミーファさんのやりたいようにやるのがいいよ。みんな許して欲しくてやってきたんだからミーファさんが思うように答えてあげるのが一番だよ」
「そ、そっか。なら私は誰のことも恨んだりしていないからみんなの事を許すよ」
「ほ、本当か?」
「うん」
「そうか、ありがとう、そしてすまなかった」
「ミーファ、また遊ぼうね」
「また私に会いに来な」
「はい!」
「よかったねミーファさん」
「うん!」
「じゃあ帰ろっか」
「うん、みんなまたね」
「ああ」
「またね」
「また会おうね」
「じゃあ帰ろうミロクくん」
「うん、帰ろっか」
そして俺たちは宿屋に帰りミーファさんが俺たちと同じ部屋に移った。




