グラス王国の過去
「今から80年前、まだ魔王を倒してあまり時間の経っていない頃ここグラス王国はある一族が王族として治めていました。
ですが魔王のいない時代は戦争が多かった、そしてそこもその1つでした。
エルフが人族と協力して魔王を討った事で王は人族を信用してこの国の場所を教えてしまった、これまで何百年も教えていなかった国の場所を教えてしまった。
それが全ての始まりでした。しばらくは人族も特に何もせず貿易をしていました。
それが覆されたのはそれから5年が経った頃でした。このグラス王国で行方不明者が多く出たんです、それを不審に思った王は調査を開始しました。そして真実を聞いた王は耳を疑いました。
それはこれまでこの国で笑顔で子供達とも仲良く商売していた人間がこの国のエルフを誘拐して奴隷として売っていたんです。
次にその商人が来た時にその商人を捕まえて事情を聞きこの国の民の心には怒りしかなかったでしょう。当たり前です、理由が金になるからなんて、そんな理由で我が子を妻を夫を家族を奪われたんですから。
エルフ達は怒り人間の国へ戦争を仕掛けました、王の指示も無しに。しかし人間は強かった、エルフは負けた、それどころか人間はこの国にまで被害を出した、しかしそこで王は停戦を提案しこの戦争は終わり被害は少ないもので済んだ。それどころかその国にこの国への不干渉を約束させて。王はよくやらました。
しかしこの国の民の怒りは人族からこの国の場所を教えた王に移っていきました、まるでなにかを吹き込まれたかのように。
それから国民は王族を非難しクーデターを起こし王を公衆の面前で処刑しました。もちろん反対したものもいましたが国民の多くが取り憑かれたように「これは正義だ」と言っていました。
王が殺された後に王族は次々と死んでいきました。暗殺された者、事故にあった者、病死した者、全ては偶然に見えて何者かに殺害されたものだと私は思っています。
ですが王に1人の娘がいた事を国民は知りませんでした。それもそのはずその子は王が人間との間に作った子でしたから。
そして王の側近はその子をどうにかして救おうとエルドール王国の孤児院の前にその子を置いていきました。
それからは私の父が王になり現在は私が王になりました。
私が王になって5年、今から3年前この国に1人の冒険者が来ました。その冒険者は何度かこの国に訪れていて、国民とも仲良くなっていて私も悪い事などは聞いていなかった。ですが国民の1人がその冒険者の髪が前王の髪に似ていると、そしてその噂は瞬く間に広がり私達は国民の要望に応えて調査をすることになってしまった。
ですが大半の国民も我々も本当に前王の子だなんて考えてなくただそう言う国民がいることから調査をしただけでした。
そして結果は前王の子供。私達は目を疑いました。その冒険者も驚きと戸惑いを顔に出していた。
それからは噂になっている通りソーラが処刑か私の息子に嫁がせるのが1番だと言ってこんな事になっています。
だが私はそれではダメだと、彼女は自由に生きる権利があると思っています。だが国民はそれで納得はしてくれない。私はどうすれば、、」
「そんな事が」
「くだらない」
「え?」
「ちょっ、キアラ」
「あなた達も分かってるでしょその子は悪くないって」
「それは、、」
全ての貴族が下を向いた。
「あなたは王なんでしょ。なら国民の意見を聞くだけじゃダメ。王として国民を導かなきゃ」
「それは、、そうですね。彼女を呼んでくれ、ここで解決させる」
「ですが」
「これは王である私が決めた事だ!」
「っ!分かりました!」
1人の従者が部屋から飛び出した。
「キアラ様ありがとうございます、これで私も考えがまとまりました」
「そう。ならよかった。じゃあ行こミロク」
「ああ、そうだな。僕たちは失礼します」
「ああ、今日はありがとう」
「いえ、では失礼します」
バン!
「つ、連れてきました」
従者に連れてこられた王女を見て俺は目を疑った。
「ミ、ミーファさん」
「ミロクくん?」
俺たちは再会した。




