表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

サクラサク。

作者: ムラカワアオイ

「一流の詐欺師」


俺はセブンの喫煙所で。

最も偉い詐欺師が『俺の前を歩くな』と、

杖をつく。

壊れやすい彼女はナルシスト。

ムラカワだってやればできる。

そんな困った顔するなよ。

俺なら獲れる。

麻雀は弱かったけど。本能本能本能本能本能。

計算計算あまのじゃく。右に左に動く一流の詐欺師。


俺は都に帰れない。

この街に生きる人。


俺は堂々と息をする。


「スローな浴衣を着てくれ」


『お前しばくぞ』から始まった、母校の校門。『ムラカワは浴衣祭り、行かんのか』。と強面の先輩。

『俺、何か苦手なんです』。

『そうか、俺、ナンパしてくるわ』。と先輩が言うと姉さん先生が俺にお菓子をくれた。

『私、一応教師やけど、なんで、太いズボン、みんな、履くんやろか』。

『言われてみたら、なんでやろなぁ。先生、青い浴衣、着てよ。ピンクのカーディガンと』。

『あんたが大人になったらな』。


姉さん先生、結婚おめでとうございます。久々に会いたいわ。

あれから、25年も経ちました。


北条口映像研究所製作。『ビューティフルノート』。絶賛放映中。


俺、死ぬことになったわ。

それが生きる証。小刻みに。


「瀬間丘さんが好きだ」


『瀬間丘さんが好きだ』。

『元xx巨x軍、長xx雄終身名誉監督より瀬間丘さんが好きだ』。

『瀬間丘さんが好きだって本気で言ってみろ』。

『瀬間丘さんが好きだ瀬間丘さんが好きだ瀬間丘さんが好きだ瀬間丘さんが好きだ』。

『俺は嘘は言わん。瀬間丘さんが好きだ』。


瀬間丘さん、デビューシングル、『肋骨』。好評発売中。

瀬間丘さんがカレーライスより好きだ。


「透明」


クジャクはクジャク。

動物園には幼子。僕はシャッタースピードを合わせる。


あの子はナルシスト。

不器用な笑顔が印象的。すべてに反論。

全てに否定。

あの子は幸せになれないだろうな。

僕は着飾らず、

行く。

弁当屋さんの前に自転車を置いて。


「HOWEEVER」


夢を愛した男と女。

くだらぬことなど、ひとつもない。

ふざけるな。と言ってやりたい奴はゴマンといるが、

お前だけはこの俺が愛した女。

吸い込まれ吸い込み、

横たわり、

抱き合う。きれいになっていくお前と、散らかっている部屋。

繊細な恋。俺には獲らなくてはならないものがある。


お前に褒められたくて。

今も夢のような、季節。

俺はシングルベッドで横になり、マルボロをくわえる。

お前は今頃、また、夜空を眺めていることだろう。


一方通行では何も始まらない。

身をもって知ったことだらけの木曜の夜。

番人は、少し偉そうに俺を見た。

そのカケラに、お前が欲しい。

お前が選んだハッピーエンドに俺は疑問符を置いたけど、

涙にくれた日々の中、夢と駆け引きする俺がいる。


お前にだけは着せたかった純白のウエディングドレス。

お前と俺はあまのじゃく。

俺はお前に手紙を書いたけど、結局、出さずに、

手紙はパソコンの下で眠ってる。


俺はお前が流した涙の数だけ、映画を観た後、

抱き寄せた。

今、俺はお前の偉大な恋心を知っては、ワインを飲む。

今日の夕日はきれいだった。

お前と見ていた頃と変わらずに。


「サクラサク」


順番。俺の番。

サクラサク。サクラサク。

嘘つき女は、もう、来ない。その場しのぎの、ウソツキなんて、愛せない。

俺には大きなサクラサク。

俺がどうしても伝えなくては、ならないこと。


桜は咲くために咲く。

俺は俺になりたくて俺になった。

歪んだ事実の国境線。

サクラサク。

とても、きれいに。



AOI MURAKAWA。

これでいい。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ