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第11話・女子トーク&男子トーク

 私の誕生日の後、程なくして夏休みに入った。高校よりも大学の方が休みが長いそうだ。


そういえば、秋人どのの別荘は海の近くだと言っておったな。今度こそ水着というものを用意せねばなるまい。

松乃どのに連絡したら、丁度、小梅どのと合う約束をしておるとのことで、久しぶりに三人でランチをすることとなった。


 ショッピングモールで待ち合わせをし、ランチを頂いておる時の事だった。

小梅どのが唐突に質問をぶつけてきた。


「ねぇ、松乃ちゃん、そ、その…、キスって付き合ってどのくらいだった?」


ぶほっ!

飲んでいるジュースを噴き出してしまいそうになった。


「かぐやちゃん、いきなりどうしたの?大丈夫?」

「いや、私のことは気にしないで、続けてくれ。」


松乃どのはニヤッと笑って、小梅どのを見た。


「はは~ん♪小梅ちゃん、もしかしてまだ手を出されてないの?」

「う、うん…」

「冬馬も意外と奥手なんだね~♪」

「松乃ちゃんの時はどうだった?」

「私の時は、付き合う前にキスしちゃったけどね♪」


けほっ!けほっ!

むせてしまった。


「かぐやちゃん、さっきから大丈夫?」

「小梅どの、気にしないでくれ。」


「でも、秋人はキスしたその日の夜にちゃんと告白してくれたよ♪」

「そうなんだ。」


下界ではそういうものなのか。これは、やよい姉様が心配されるのも分かる気がするな…


「私って魅力無いのかなぁ…」

「小梅ちゃん、そんなことないと思うよ~♪ただ、大事にされ過ぎかもね。見ていても過保護っぽいもん!」

「そうなんだ…」


ジュースのストローを回しながら、小梅どのはため息をついておった。


「そんなに過保護の殻を破りたいんなら、小梅ちゃんから色仕掛けしてみたら?」

「ムリ!無理!むり!そんな事出来ないよ~!」

「でも、待ってるだけ?ずっと冬馬のことが好きだったのに、告白だって冬馬がしてくれるまで待ってたでしょ?」

「う、うん…」

「だから、こういう時こそ、女から攻めなくちゃ♪」


小梅どのはチラッと私を見た。何か助けが欲しそうであるが、すまぬ…まったく助言できぬ。


「って事で、別荘お泊りの時には、海岸へデートに誘うこと♪誰もいない海岸なら、冬馬も手を出しやすいんじゃぁない?」


げほっ!げほっ!

喉が詰まった!


「かぐやちゃん、本当に大丈夫?」

「だ、大丈夫だ…」


手を出すって…詳しくは知らぬが、確か婚約の儀の事であるよな…

私にはついて行けぬ話である。


何だかんだで、冬馬どのと小梅どのを二人きりにさせるよう指示を出され、私の水着を買いに来た筈なのだが、勝負下着とか言う物の買い物に連れて行かれてしまった。


下界の事情はよく分からぬが、小梅どの、頑張ってくれ…


----------


 冬馬から話があると言われ、秋人と一緒に呼び出された。


「冬馬が話しなんて珍しいな。バイクの免許でも取れたか?」

「い、いいや。ちょっと秋人に聞きたいことがあってな…」


「何?何?どんなこと?」

「そ、その…松乃とはいつキスした?」


ぷっ!

思わず噴き出してしまった。


「笑うな!春樹!」


「すまない。冬馬がチェリーとは知らなかったよ。」

「お前だってかぐやと進展が無いんだから一緒だろ!」

「私は中3までロスに住んでたんだぞ。向こうでは付き合う前のデートで寝るのもよくあることだ。」

「そ、そうなのか…」

「まぁ、お金目的で寄ってくる女の子がほとんどだったけどな。だからこそ、かぐやさんを大事にしたいんだ。」


「ちょっと、春樹!冬馬の話の邪魔するなよ!」

「悪い悪い、秋人、続けてくれ。」


「それで、松乃ちゃんとキスしたのだっけ?まぁ付き合う前かな~♪」

「え?そうなのか?」

「でも、ちゃんとその日の夜に告白したよ♪」

「そうか…」


あんなに女の子が群がっていたのに、冬馬は意外にも奥手なんだな。何だか珍しいものを見れた気がする。


「それより冬馬、お前は小梅さんを大事にし過ぎではないか?」

「そうか?」

「見ていても過保護な気がするぞ。大事にしたい気持ちも分かるが、まったく手を出さないのは恋人として大事にしてるとは言えないだろ?」

「そんなものか…」

「それも一つの愛情表現だ。」


秋人がニヤッと笑った。


「って事で、なるべく小梅ちゃんと一緒にいて、二人っきりになるチャンスを作ること♪」

「わ、分かった。」


「で、春樹はかぐやちゃんとなるべく一緒にいること!」

「頼まれなくても、そのつもりだ。」

「言うね~♪」


それから、かぐやさんの誕生日の話になった。


「で、誕生日はどうだった?」

「船の揺れでバランスを崩した時に抱きとめたら、警戒レベルが上がってしまったようだ。」

「ふ~ん。普通の女の子なら、コロッといっちゃうところなのにね~!」

「そのうち、いい知らせが出来ればいいけどな。」


----------


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