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第1話・サークル活動開始!

 いよいよ大学生活が始まった。

入学式の翌日、講義を受けるために大学へ行くと、いつも以上に賑やかな看板が沢山飾られてあった。


「テニスサークルに入りませんか~?」

「求む!アメフト同好会へ!」

「天文研究会へようこそ!」


何だ?これは?


「かぐやちゃん、おはよう♪」

「おお、松乃どのか。この騒ぎは一体何だ?」

「これは、サークルの勧誘だね♪色々な趣味というか、同じものを好きな人達が集まって活動してるみたいだよ!私はテニスに入ろうかな♪」


松乃どのはテニスサークルの看板の元へ走っていった。

私には道場があるし、そのような活動にも興味無いな。そう思いながら歩いておったら、見知らぬ姫君達に呼び止められた。


「もしかして、かぐや様では?」

「そうだが。」

「是非、我が管弦楽部へ!」


「え?噂のかぐや様か?」

「どうか鉄道研究会へ!」


うわっ!いきなり多人数に取り囲まれた!


「申し訳ないが、何処へも入る気はないのだ!」

「そんなこと言わずに、是非ウチのダンス同好会へ!」


更に沢山の者が迫ってきた!これは危険だ!

ダッシュでその場を去った。


「あっ!逃げた!諦めませんからね~!」


ふう、何とか巻けたか?それにしても他の学生に比べて、少々勧誘が強引な気がするな…

ため息をつきながら賑やかな構内を横目に歩いておったら、いきなり出てきた見掛けぬ殿方達に前方を塞がれた。


「お助けください!かぐや様!」

「何事だ?」

「我らミジンコ研究会です!かぐや様に入って頂ければ、新しい会員が入ってきます!どうか、存続危機をお助けください!」

「すまぬが、まったく興味ないのだ。」


その場を去ろうとすると、両腕をガシッ!と掴まれた!


「何をする!」

「こうなったら、強引にでも入って貰います!」

「離せ!卑怯だぞ!」


抵抗するものの、殿方2人がかりで引っ張られては力で負けてしまう。ここは悪いが蹴りを入れさせてもらうぞ!


すっと構えようとすると、急に手が自由になった。

あれ?

見ると、春樹どのが殿方の手を掴み倒しておるではないか。


「かぐやさんから離れろ!」

「どうしても入ってもらわないと、廃会になってしまうんだ!」


残りの殿方が春樹どのに襲いかかった!


「春樹どの!右だ!」


春樹どのが殿方の手を軽く握ったかと思うと、痛い痛い!と言いながら殿方が倒れ込んだ。


今、何があったのだ?


ミジンコ研究会と名乗る殿方達は、しっぽを巻いて去っていった。


「春樹どの、今のは一体何だ?」

「強引なサークル勧誘ですよ。どうも私達は狙われているようですね。」


「そうではない!一瞬でひねり倒したではないか!」

「ああ、護身術です。幼少の頃、誘拐されかけた事がありましたので、その時に習っていました。」

「凄いな!春樹どのは強かったのだな!」

「ふふ。感動して頂けて光栄です。あくまで身を守るだけなのですが、静をもって動を制すというところでしょうか。」


私の習っておる空手とはまったく異なるが、凄い武術を習得しているようだ。


「ところでかぐやさん、お怪我はありませんか?」

「ああ、大丈夫だ。」

「それは良かったです。」


思わず、私ににっこり笑いかける春樹どのの顔をぼ~っと見てしまった。


「どうしましたか?」

「い、いや、何でもない!そろそろ講義の時間故、行かねばなるまい。」

「ふふ。そうですね。今日も頬が赤くなるかぐやさんを見れて幸せです。」

「赤くなどなっておらぬわ!」

「はい、はい。」


どうも、春樹どのと一緒におると自分のペースが乱されるな…



 講義は一般教養といって、各部が共通のものであった。そして、いつもの6人で顔を揃えた。

春樹どのが先程の出来事を皆に報告しておった。


「さっき、かぐやさんが危なかったよ。」

「そうなのか?」

「どうも、私達は勧誘の優先順位が第一位のようだ。プロレス研究会からも在籍だけでいいと勧誘されたよ。」

「俺もかぐやも道場あるから、サークルは時間的に無理だしな。」


「そういえば、松乃どのは先程、話を聞いていたのではないか?」

「テニスサークルの一つに話を聞いたんだけど、彼氏いない人優先って言われちゃった!テニスじゃぁなくて、合コンサークルっぽかったよ!」


「松乃ちゃん!駄目だよ、そんな所へ入ったら!」

「モチロン秋人がいるからって、断ってきたよ~♪」

「さっすが松乃ちゃん♪」


「バカップルは健在だな。」


ふふ。いつもの光景に安心してしまうな。


「私もいくつか誘われたけど、かぐやちゃん連れて来てって言われちゃったよ。」

「小梅ちゃん、そうなの?」

「うん。だから断ってきちゃった。バイトも探さないといけないしね。」


皆も色々と苦労しておるようだ。こんな日々が続くとなると少々疲れるな…

全員で思案しておったら、秋人どのが良い考えを思いついたようだ。


「だったらさ!僕達6人でサークル作らない?メンバー限定してさ!そうしたら勧誘されなくて済むかもよ♪」

「それいいね~♪」

「しかし、何のサークルだ?活動報告は必要だろう。」


またしても全員で思案することとなった。


「それだったら、『カフェ研究会』ってどう?」

「松乃どの、それは何をする研究会なのだ?」

「カフェって何気に入ったりするでしょ?だからその時にメニューがどうだったとか、雰囲気はどうだとかを報告すれば、手間も時間もわざわざ掛らないし、どうかな?」

「いいかも~♪新しいカフェの発掘も楽しそうだしね♪」


あっと言う間にサークル結成が決まった。皆の決断の速さは健在のようだ。

これで騒ぎも収まってくれれば良いのだが…


「やっぱキング3とかぐやちゃんは大学でも有名なんだね。」


小梅どのは当たり前のように言うが、何故そこまで皆が私達に拘るのかが不思議だ。



 翌日、まだ私達のサークル結成を知らない輩が絡んできた。秋人どのは結成したサークルに入れてくれと姫君達に絡まれたそうだ。


皆と話し合った結果、暫く春樹どのが私の護衛に付くということで、話がまとまった。

何かある度に世話をかけてしまうな…

そういえば去年、4月が誕生日だと言っておったし、何か礼でも考えてみるか。


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